Csillagosok, katonák(1967)
The Red and the White
監督:ヤンチョー・ミクローシュ
出演:ジョゼフ・マダラス、ティボー・モルナール、アンドラーシュ・コザーク、セルゲイ・ニコネンコ、ミハイル・コザコフ、クリスティナ・ミコワイエフスカ、ニキータ・ミハルコフ、ピョートル・サヴァン、ニコライ・セルゲーエフ、ロマン・ホミャートフetc
評価:85点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
「死ぬまでに観たい映画1001本」ヤンチョー・ミクローシュ作品『Csillagosok, katonák』がEastern European Moviesにて配信されていたので観た。ヤンチョー・ミクローシュといえばマスゲームを行うイメージがあり、映画というよりかはコンテンポラリーダンスであり、それ故物語がわかりにくかったりする。先日、入門としてオススメするならこれだと耳にしたが、確かにその通りだった。
『Csillagosok, katonák』あらすじ
During the Russian Civil War, the Red Army – aided by Hungarian Communists – and the White Army fight for control of the area surrounding the Volga.
訳:ロシア内戦では、ハンガリー共産党の支援を受けた赤軍と白軍が、ヴォルガ川周辺の支配権をめぐって争う。
さあ走れ、この銃から逃げられるのなら
男が軍人に囲まれる。「川へ進め」と追い込まれる。反対側からも軍人がやってきて、無慈悲に男は撃ち殺され川に沈む。その物陰から、軍人に見つからないように男が覗き込んでいる。この長回しのシークエンスから、禍々しいものを感じる。本作は、他のヤンチョー作品と比べると物語ることを重視しているが、それでも長回しで戦争の惨事を描いていく。軍に追われた人が、柵に兵士を呼び込み銃を奪い応戦する。捕虜に対して、軍人が「さあ走るが良い」と解放したかと思えば背中を撃ち殺す。次の捕虜もまた解放する。人殺しを躊躇する兵士に撃たせるが、当たらない。それを後始末するように隣の兵士が殺す。だが、殺される瞬間は最初に映しているので、2番目は映さない。フレームの外側に死を配置することで、観る者に恐怖を植え付けるのだ。
ヤンチョー・ミクローシュは本作でも群れを徹底的にコントロールし、強烈なスペクタクルが次々と展開されていく。通りに兵士が隊列を組んで迫る場面や、横並びに並んで村に向かっていく様子など、印象的な場面が多い。近年、日本ではタル・ベーラ特集を開催したり、『マルケータ・ラザロヴァー』の公開が決まったりと東欧映画に対する関心が高まっている。ここはヤンチョー・ミクローシュ特集の開催を強く願いたい。きっと映画ファンの心を満たす体験になることでしょう。本作と『Electra, My Love』は強くオススメします。
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※MUBIより画像引用