モカリック 修理工とボクの1日(2019)
原題:Mokalik
英題:Mechanic
監督:クンル・アフォーラヤン
出演:トゥーニ・アフォラヤン、アヨ・オグンシナ、ダヨ・アキンペル、シミ・オグンレイェ、フェミ・アデバヨetc
評価:65点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
Netflixで配信されているナイジェリア映画通称、ノリウッド作品。今回は子ども映画『モカリック 修理工とボクの1日』について扱っていく。
『モカリック 修理工とボクの1日』あらすじ
中産階級が暮らす郊外で育った11歳の少年が、遠く離れた場所の修理店に弟子入り体験をする。学校では学べないことを経験した少年が決断した人生の選択とは。
少年の修理工体験記
中産階級の少年パンミレ(トゥーニ・アフォラヤン)は地方の自動車整備工場にやってくる。勉強ができない不良少年の彼の根性を叩き直すために、送り込まれた。本作は、修理工の日常に送られたビニールハウス育ちの少年が揉まれる中で大人になっていく過程をリアルに描いている。大人たちと食事を共にする。ナイジェリアにも多様な人種がいてフランスから来たナイジェリア人もいたりする。政治や社会について暴言が飛び交い、かと思うと世話役の兄さんが「よう、カノジョはいるんかい?」と話しかけてきたりする。
この光景は普遍的なものがあるだろう。我々も社会人になると理不尽や人情の坩堝に揉まれながら井の中の蛙である状況に気づき、自分の生き様を選択していく。心を閉ざしふてくされた少年が、背伸びしながら職人の仕事に触れ、段々と兄弟関係となっていくプロセスが印象的だ。また本作には、姉貴ポジションの人物が登場するのだが、この会話の駆け引きが興味深い。
歌が上手い彼女に対して、少年が質問をする。すると、歌手になるのはほんの一握りだから私は品出しの勉強をしているのと言われる。そして勉強にせよ肉体労働にせよ、努力はつきものだと彼女は語るのだ。仕事の種類に優劣つけることなく、本質で会話をする場面は心に来るものがある。その話を聞いた少年の顔が大人になっていく様子も興味深い。
まるで山田洋次映画のような人情を通じて成長していく過程を描いた良作でした。
※Netflixより画像引用