ララミーから来た男(1955)
THE MAN FROM LARAMIE
監督:アンソニー・マン
出演:ジェームズ・スチュワート、アーサー・ケネディ、キャシー・オドネル、ドナルド・クリスプ、アレックス・ニコル、アリーン・マクマホン、ウォーレス・フォード、ジャック・イーラム、グレッグ・バートンetc
評価:80点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
「死ぬまでに観たい映画1001本」掲載のアンソニー・マン西部劇『ララミーから来た男』を観ました。西部劇は中高時代こそ苦手だったものの、大人になって挑戦すると泥臭く暴力的な人間模様にサラリーマン生活を送る自分が重なり楽しめたりします。本作も興味深い作品でした。
『ララミーから来た男』あらすじ
ワイオミング州ララミーからニュー・メキシコへ、ウィル(ジェームズ・スチュアート)という男が弟の仇を探してやって来た。弟は連発銃を持ったインディアンに殺された。彼はインディアンに連発銃を売った男を探しているのだ。町へ入った彼は、雑貨店で働くバーバラ(キャシー・オドネル)と知り合った。翌日、近くの鹹湖で塩をとっていたウィルは突然、デイヴやヴィック(アーサー・ケネディ)などバーブ牧場の連中に襲われ、とった塩や馬を焼き払われた。町に帰ったウィルはデイヴをつかまえて殴りつけた。そこへバーブ牧場の主人アレック(ドナルド・クリスプ)が来合せ、ウィルの損害を弁償すると約した。ウィルはバーブ牧場と仲の悪いハーフムーン牧場にやとわれた。翌日ウィルが牧場で働いているとデイヴやヴィック一味が彼を襲い、射ち合いになった。興奮したデイヴは山の上に行ってアパッチに合図した。アパッチを呼んでハーフムーン牧場を片付けさせるつもりなのだ。ヴィックはデイヴが荷馬車にかくした連発銃をアパッチに渡すのではないかと疑い、争ううちにデイヴを殺してしまった。荷馬車が1台足りないことに気づいたアレックはヴィックを追求してかくし場所に案内させたが、途中ヴィックに馬からつき落され、ウィルに救われた。アレックから事情を聞いたウィルはヴィックこそ探している仇ではないかと思い、彼を追って荷馬車のかくし場所に案内させた。仇はヴィックだった。ウィルは荷馬車を崖の下に落とし、折から襲って来るアパッチの前にヴィックを置いて去った。ヴィックはアパッチに殺された。ウィルはバーバラと再会を約してララミーへ帰って行った。
目には目を手には手を
弟の仇を討つ為旅をする男ウィル(ジェームズ・スチュアート)。新しい町で、一通り準備を整え、権利関係を調べた上で塩を採取していたのだが、突如バーブ牧場の連中に「何やっている」と言われ、理不尽にも馬車を燃やされ、馬も射殺されてしまう。そこから傲慢なバーブ牧場の連中との血で血を洗う戦いが始まった。ポイントはバーブ牧場の中にも暴力的な制裁にドン引きしている人がいる点だ。しかし、組織というものは声が大きい者によってコントロールされてしまうもの。故に、塩を少し採取していただけで馬を殺してしまうのだ。同様に、目には目を方式で、手の甲を撃たれたら、とっ捕まえて、ゼロ距離で手の甲をぶち抜く。とにかくエゲツない暴力の連鎖が所狭しと並べられているのだ。だが、本質は組織におけるハラスメント体制の映画であり、全く他人事ではない映画だなと思った。
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※IMDbより画像引用