C・C・ライダー(1970)
C.C. AND COMPANY
監督:セイモア・ロビー
出演:ジョー・ネイマス、アン=マーグレット、テダ・ブラッキ、ジェニファー・ビリングスリー、ウィリアム・スミス、ドン・シャスティンetc
評価:95点
中野のバーで呑んだ時に、「アマプラで『C・C・ライダー』観たけど知ってる?」と訊かれた。映画歴10年以上になるがまだまだ知らない作品あるものである。というわけで早速Amazon Prime Videoで観ました。
『C・C・ライダー』あらすじ
若者たちは限りない自由を求めて、オートバイでハイウェイを暴走する。だが、その背後には社会の偏見と明日なき恐怖、虚無が暗い穴のように控えているのだ。”ザ・ヘッド”のリーダー、ムーン、新入りのCC(ジョー・ネイマス)、金髪のグラマー美人アン(アン・マーグレット)などが
BORN TO BE WILD
主人公であるC.C.(Joe Namath)がスーパーで万引きするところから始まる。ナイフをパッケージから開け、カートにパンを乗せ、サンドウィッチを作る。牛乳パックを飲み干し、ゴミ箱に捨てると、店員に「マフィンはどこかな?」と訊く。散々、店内のものを飲み食いし、ガムを1本だけ購入して出る。ハーレーに乗って、今日もその日暮らしだ。
丁度、ウッドストックフェスティバルでヒッピーカルチャーが盛り上がった1970年の作品だけあって、雄大な自然を背に未来のことなど気にしない野生的な世界が広がる。撮影監督は『トラ・トラ・トラ!』や『サイレント・ランニング』で知られるチャールズ・F・ホイーラーだ。カラー映画としての魅力を引き出すように、緑や赤の色彩豊かなファッションが次から次へと画面に現れる。荒野に現れるモトクロスサーキットでは、逆走はもちろん、バイクを投げ出したり、壁に激突させる過激なスタントが行き交うレースが展開される。ゴール手前で大事故を起こし、タイヤが外れてしまってもC.C.はバイクを担いでゴールを目指す。背後から豪速球で後続車が追ってくるがそれに負けんじと挑む。この熱気にすっかり夢中となった。
本作は、大地に不自然に停車するリムジンの美女を襲ったり、バイク屋で強盗を働いたり、マッドマックスのような仮装集団がいたり治安が悪い映画だ。しかしながら、1970年代の自由の国アメリカの魅力を画面いっぱいに表現した大傑作と言えよう。社会の歯車として常に明日の生活に追われている者への処方箋としてオススメしたい。
※IMDbより画像引用