コンドル(1939)
ONLY ANGELS HAVE WINGS
監督:ハワード・ホークス
出演:ケイリー・グラント、ジーン・アーサー、リチャード・バーセルメス、トーマス・ミッチェル、リタ・ヘイワースetc
評価:75点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
映画呑みのテーマでハワード・ホークスが挙がり、「死ぬまでに観たい映画1001本」掲載の『コンドル』を急遽観ました。
『コンドル』あらすじ
南米バランカに到着した踊り子のボニーは郵便物の空輸会社のボス、ジェフと知り合う。ジェフは結婚に失敗して以来、女性不信に陥っていた。最初は冷ややかなジェフに反感を抱くボニーだが、危険と隣合せの職業に命を賭ける姿を見て、心惹かれていく……。作品は大成功を収め、当時ほぼ無名であったリタ・ヘイワースにとってはスターダムへの足がかりとなった。
※映画.comより引用
ニトロでコンドルを倒せ!
ハワード・ホークスなので情報密度濃いめである。冒頭20分で行うことが非常に多く、そして無駄がないので驚愕する。船着き場にいる男にチンピラが声かける「お前、女にやられたな?」と煽り、それを否定する一悶着の中、女が降りてくる。ナンパしようと男はストーカーを始めるのだが、煙に巻かれる。そして女がショーから出てきて、物色していると、彼らは話しかける。すると巨大なナイフを突きつける。こうして親睦を深めた3人は『ヒズ・ガール・フライデー』同様、食堂で女の取り合いを始め出す。そこから、飛行機の着陸サスペンスが始まる。
あれだけ煩かった冒頭ですが、霧の中飛行機が着陸しようとするミッションになると、「ピアノの音を消せ」と言い始め、静寂の中、フレームの外側にいる飛行機の存在を捉えようと群が目を凝らし始める。通常のサスペンスだと、コックピット視点の画を挟みそうだが、見えないスリルを演出するため、そういった余計な描写を省いている。情報過多でありながらも省略が鋭いのがこの映画の特徴である。
例えば、ニトログリセリンを乗せた飛行機が、女の懇願によりニトログリセリンを破棄するエピソードがある。片手で操縦しながらコンドルの群れに向かってニトログリセリンを落とそうとするのだが、穴が小さいので木箱ごと落とせない。だから木箱を開けるのですが、そこにびっちりニトログリセリンが詰まっており、それを一本一本慎重に落としていく。通常であれば、ラスト1本落とすところまで描くだろう。しかし、それはせず、2本程度落として大爆発を描いたらあっさりそのエピソードを終わらせてしまうのだ。
ハワード・ホークスのノリと勢いで駆け抜ける本作は、若干冗長に感じたもののスリルの緩急のつけかたが相変わらずキレッキレで面白かったです。
※映画.comより画像引用
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