今際の国のアリス(2020)
Alice in Borderland
監督:佐藤信介
出演:山﨑賢人、土屋太鳳、村上虹郎、森永悠希、町田啓太、三吉彩花etc
評価:45点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
2020年夏頃に麻生羽呂の同名漫画がNETFLIXで実写化されることが報じられた。『今際の国のアリス』は一時期、Twitterの広告でよく見かけた漫画でどうやらデスゲームものらしい。そして2020年末頃に配信されると、これがドラマシリーズだと言うことに気づく。話題になったので私も観てみました。
『今際の国のアリス』あらすじ
優秀な弟と比較され続け、人生に意味を見出せず鬱々とした日々を送るアリス。唯一の心のよりどころである親友のチョータとカルベと渋谷に繰り出した矢先、突然の閃光と共に街は無人と化す。不安を感じつつつも、誰もいない解放感にはしゃぐ3人。しかしそこは、様々な““げぇむ””をクリアしなければ生き残ることができない“今際の国”だった…。持ち前の観察力と判断力を発揮していくアリスは、仲間を作らずたった一人で“げぇむ”に挑み続けるクライマーのウサギと出会う。命を懸けるというかつてない体験を通し彼らは、「生きること」に正面から向き合うこととなる。
※FILMARKSより引用
金がかかったゲームもの
『アイアムアヒーロー』、『いぬやしき』と漫画の実写化に力をつけてきている佐藤信介に潤沢な予算をつけたらどうなるのだろうか?
答えはハリウッド映画の質感を勝ち取るである。
冒頭、3人の仲良しが渋谷で出会う。セリフはないのだが、騒々しいチャットが場を盛り上げる現代的なコミュニケーションを描く。これが異世界においてコミュニケーション能力が試される伏線となっている。そして恐らく擬似であろう、長回しで、渋谷駅の便所に入り、そこから異世界に侵入してしまう滑らかさとリッチな映像に感動を覚える。些細なバーでの諍いの場面ですら、「ハリウッド映画」のバーの雰囲気を醸し出しているので驚きだ。こうして3人は、命をかけたゲームに参加させられる。ゲームに勝利すると、異世界での滞在可能日数「ビザ」が増える。しかし、ゲームに負けたりビザが切れると死亡する。こうして彼らはこの世界の陰謀を探りつつゲームに参加していく訳だ。
一見運が絡むゲームに見えて実は戦略が重要視されるゲームの数々がハリウッドテイストのリッチ差で描かれているので『カイジ』や『LIAR GAME』好きには堪らないだろう。
しかし、その魔法はドラマが進むと段々溶けていき、凡庸なゲームものへと変わっていく。特に後半、ビーチという組織にたどり着くと一気にストーリーは鈍重なものとなり、スリリングな攻防は消滅してしまう。あるのは、裏切ったの連続だけとなるのだ。恐らく、これは原作に問題があるのだろう。ゲームのネタ不足で、大きな組織的物語を作ったら空中分解してしまったのではないだろうか?
前半までは楽しく観ていたのですが、段々と尻窄みになっていく話にがっかりしました。ただ、土屋太鳳の中性的な演技、隙だらけなように見えて根はしっかりしている演技はよかったです。
※NETFLIXより画像引用
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