天使/L’ANGE(1982)
L’ANGE
監督:パトリック・ボカノウスキー
出演:モーリス・バケ、ジャン=マリー・ボン、マリオ・ゴンザレスetc
評価:60点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
パトリック・ボカノウスキーのカルト実験映画がまさかのデジタルリマスター化されイメージフォーラムにて公開されたので観てきました。
『天使/L’ANGE』あらすじ
画家としても活動するパトリック・ボカノウスキー監督の長編映画第1作。あきらかなストーリーは存在せず、光と音による幻想的な映像と不可思議な登場人物たちが繰り広げるシークエンスから成る実験的な作品。天井から吊り下げられた人形を延々とサーベルで突き刺す仮面の男、何度も床に落ちて割れる牛乳の壺、せわしなく本を探しては運ぶ図書館員の男たち……各イメージの撮影には古典的な特殊効果や複雑なセット、特殊合成などが用いられ、撮影や特殊効果、編集をあわせて5年の歳月が費やされた。1982年カンヌ国際映画祭の批評家週間で上映された後、84年にパリで一般公開されると、新たなアバンギャルド映画としてフランス映画界に大きな話題をふりました。日本でも85年に公開され、当時のミニシアターブームとカルト映画人気の潮流にのり、実験映画としては異例の3カ月にわたるロングランを記録した。2020年11月、デジタルリマスター版でリバイバル公開。
※映画.comより引用
堕ちてゆく、堕ちてゆく、夢の中へ
かつて写真の登場によりマイブリッジは馬の動きを正確に捉えたが、本作はモノの動きに対する探究心を爆発させた異常な作品である。
フェンシング男が人形と闘う様子を、残像重ね合わせる。お面をつけた男が忙しなく本を取り出しては机に戻るを繰り返す。カレル・ゼマン『悪魔の発明』を彷彿とさせる、絵に囚われた人が動く場面。謎の箱に向かって人が突進する様子など、シュールな画が60分余すことなく観る者に襲いかかるのだ。
そして、気が狂いそうな睡魔誘う旋律が、夢の中へ誘う。油断すると堕ちていってしまうのを必死に耐えながら観る必要がある。
ではつまらないのか?
答えは「否」である。
観た人しか味わえない狂気の蜜にとろける作品であることには間違いないし、楽しい作品であった。ただ、私に語る言葉はなかった。
力不足ですまない。
※映画.comより画像引用
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