【Netflix】『ミルフ/MILF』下品で美しきジャック・ロジエ的世界

ミルフ(2018)
MILF

監督:Axelle Laffont
出演:ヴィルジニー・ルドワイヤン、マリ=ジョゼ・クローズ、アクセル・ラフフォンetc

評価:30点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

フランスでは毎年バカンス映画が公開される。フランスでは夏になると1~2ヶ月近いバカンスがあり、一つの文化を形成している。日本だと夏になけなしの休暇をもらう程度だけにこういったバカンス文化の映画を観ると眼福である。さて、Netflixでは『ミルフ/MILF』というバカンス映画が配信されている。ヴィジュアルがイカしていたので観てみました。

『ミルフ』あらすじ


南フランスにやってきた、40代の女友だち3人組。喪失感や悲しみを抱える心をときめかせてくれたのは、かなり年下のイケメンたちとの熱い恋。
Netflixより引用

下品で美しきジャック・ロジエ的世界

車でパリピがバカンス会場に向かう。すると後ろから煽り運転と思しき車がついて来る。ムカついたパリピの一人が服を脱ぎ始め、その車に煽りの倍返しを行う。しかし、その車は覆面警察の車だった。開幕早々逮捕される。そんなふしだらなアラフォーのガールズトーク全開なバカンス映画がこの『ミルフ』である。別荘に着くや否や、そこに住み着いてしまったペリカンと死闘を繰り広げたり、ビーチで寝転がっていたら、ド派手でダサいファッションの知り合いに見つかり困惑する。クラブではあまりにヤバい客すぎて入り口で門前払いされる。そして、終いには、《ミルフ》や《チェパ・メ》といった世界の隠語を片っ端から解説し始めるのだ。そんな輩なので、彼女たちに迫り来る男たちもマッチョだけが取り柄な中身空っぽイケメンばかり。中身はクソでゲスの極みだ。ポスターがお洒落なのに騙されてはいけません。その数倍、いや数千倍下品でしょうもない作品に大変がっかりしたのだが、それに輪をかけてオマージュなのだろうか?ジャック・ロジエの『オルエットの方へ』を彷彿とするユニークなショットが挿入されるからタチが悪い。

前半のペリカンとのダラダラとした死闘は、まさしくウナギと10分以上に渡って格闘するあのシーンを感じさせる。そして恍惚とした海の上で馬に乗ったり、ボートで愛を深め合ったり、一期一会の愛に身を投げ出したりするところは『オルエットの方へ』そのものだ。『オルエットの方へ』がオールタイムベストな私にとってこの居心地の悪いバカンス映画は辛いものがありました。

ただ、フランスバカンスのグダグダ感を味わいたい人にはオススメしたい作品であります。

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