【死ぬまでに観たい映画1001本】『三十九夜』アルフレッド・ヒッチコック最高傑作!

三十九夜(1935)
THE 39 STEPS

監督:アルフレッド・ヒッチコック
出演:ロバート・ドーナット、マデリーン・キャロル、R・マンハイムetc

評価:100点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

『死ぬまでに観たい映画1001本』にはアルフレッド・ヒッチコックの作品が多数掲載されているが、その中でも最もマイナーな『三十九夜』をアマプラことAmazon Prime Videoで観賞しました。アルフレッド・ヒッチコック映画は大の苦手なのですが、これは今までで観たヒッチコック映画の中で最も面白かったです。

『三十九夜』あらすじ


1915年に発表されたスパイ小説「39階段」を脚色したロマンチック・スリラー。無実の罪を着せられた男が、逃走の末に真実と人間の隠された本性に気づくという、ヒッチコックお決まりのテーマが初めて用いられた。リチャードは偶然居合わせた事件がもとで、謎の女性を部屋へ泊めることになる。翌朝、何者かに刺殺される彼女。リチャードはダイイングメッセージを残され……。逃亡中に知り合う人々の嘘が、物語に起伏をもたらしている。
映画.comより引用

アルフレッド・ヒッチコック最高傑作!

お笑いショー会場、そこの治安の悪さはピカイチ!

開演前からMCに卑猥下劣なヤジが飛び交う中、今日のショーが始まる。今回のショーマンは、1日に50個のものを憶え、決して忘れることのない超人だ。しかし、会場から出る質問は下品なものばかり、サッカーや競馬の結果、そして女の年齢などをドッジボールのようにこの超人に投げつける。おじいさんが「鶏の舌病の原因は?」とめちゃくちゃ訊いているのに、その声は彼には届かない。やがて大乱闘スマッシュブラザーズ!とばかりに警察交えてバトルが勃発する。なんとか場を鎮めようとするMCだったが、そんな声は虚しく、銃声が響き渡る。残念ながらショーは御開きとなってしまったようだ。

劇場から出るスカした男リチャードは、謎の女に言い寄られて家に泊めることとなる。それが運の尽き。「私、スパイに追われているの。あれを阻止できなければ国家機密が流出してしまう。」と富澤たけしばりの虚無な謎を吹きかけられるのだ。確かに、窓からは黒ずくめの男がいる。警戒するも束の間、目を醒ますと女は殺されていた!こうして彼の逃走劇が始まるのだが、右から左から追っ手がやってくるのをギリギリで避け続ける不条理なアクションが面白い。

家から、出ようとすると目の前に黒ずくめの男がいる。ではどうするのか?変装だ!そして間一髪列車に乗ると、目の前の客が新聞を読んで大声で談笑をしている。その新聞には女殺しの犯人が自分だと書かれている。逃げようと駅のホームに降りるのだが、警備員に捕まりそうになる。駅員が狭い客室の右から左からやってくる。袋の鼠のリチャードはどうするのか?小者に見えて、ジェームズ・ボンドばりのアクロバティックな回避でスレスレを切り抜けていくのだ。

彼に休まる場はない。田舎町、突撃!隣の晩ごはんと言わんばかりに家に逃げ込めば、不倫と間違えられ、暗夜行路大草原に逃げても追っ手に見つかる。終いには、いきなり演説を頼まれてしまうのだ。こうして次第にリチャードは陰謀論に取り憑かれていくのだが、最初は全然陰謀論を信じていなかった男が陰謀論へ取り憑かれていくこのシークエンスに説得力がある。

そして、ラストは超絶皮肉なオチがつく。

ここまで華麗なスパイアクションは滅多にお目にかかれない。アルフレッド・ヒッチコックの作品は結構冗長なイメージが強いのですが、本作には一切の無駄がないのだ。

『アンカット・ダイヤモンド』好きには堪らないホームラン作品でした。

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