映画検定2級と1級と受けて来た結果…
おはようございます、チェ・ブンブンです。
昨年の11月、そして今年の2月に映画検定たるものを受験してきました。映画検定とは、キネマ旬報社が主催する、映画の知識を問う試験であります。2000年代の資格ブームの際に登場し、一時は盛り上がったものの、2級、1級の異常な難易度のお陰か、受験者数が伸び悩んだせいか?段々と開催されなくなり、2014年以降音沙汰なかった試験です。今回、キネマ旬報社創立100周年を記念して、映画評論家の松崎健夫プロデュースのもと、復活しました。今回はweb受験も可能になり、受けやすくなったのですが、Twitterでは全く盛り上がっていません。特に2級以降になると数名しか呟いておらず、得体の知れない検定となっていました。そこで、ここは映画ブロガーとして2級、1級のリポート及び、今後受験する方への対策の方法を書いていこうと思います。
もくじ
映画検定2級の結果と講評
映画検定2級は合格しました。
70%以上の正解で合格です。映画検定特設サイトにあった予想問題を解いた感じ楽勝だと思っていたのですが、案外えげつない問題が多く、例えば、
今村昌平監督の『うなぎ』の製作・興行体制が行われた映画会社によるプロジェクト名を、以下の中から選びなさい。
1.アルゴ・プロジェクト
2.J・MOVIE・WARS
3.シネマジャパネスク
4.東映Vシネマ
といったプロダクション名を答えさせる問題、
岩井俊二監督の『Love Letter』で撮影を担当した人物を以下の中から選びなさい。
1.北信康
2.佐光朗
3.篠田昇
4.福本淳
といった日本映画の撮影監督を選ばせる問題などといった重箱の隅をつつく問題が目白押しでした。それでも割と知っている話が多かったのと、松崎健夫の問題の作り方は、比較的分からなくても答えに辿り着けるような感じになっているので悪問は少なくなったと言えます。それでも難易度の高さは相変わらずといった感じでした。
そんな映画検定2級の問題は映画検定はサイトにて公開されてますので、皆さん是非挑戦してみてください。
映画検定1級の結果と講評
映画検定1級は流石に鬼畜難易度でした。対策に使用した本の選定に狂いはなかったのですが、もう少し読み込んでおけばよかったと反省しています。とはいっても、貴方は答えられますでしょうか?
記述問題で『七人の侍』と『荒野の七人』の《七人》を全て答えなさいって問題を。
『七人の侍』こそ、キネマ旬報が大好きなのは分かっていたのでなんとか答えられたのですが、『荒野の七人』はユル・ブリンナー、スティーブ・マックイーン、チャールズ・ブロンソン、ジェームズ・コバーンぐらいしか分かりませんでした。
これで合計8点、つまり11.4%分の配点を持っているので、どちらか片方は正解しないと合格が厳しくなる内容でした。問題制作者は楽だが、受験者は涙目の悪問に苦しめられました。あとはちょこちょこ、うっかりミスをしており、例えば、
召集令状を受けて出征し、戦場で亡くなった映画監督・山中貞雄に関する記述のうち正しいものを、以下の中から選びなさい。
1.監督作の公開日に召集令状を受け取った。
2.戦地で黒澤明に会ったことがある。
3.『磯の源太 抱寝の長脇差』が遺作となった。
4.25歳で亡くなった。
では、若くして亡くなったイメージに囚われ、4を選択してしまいました。
フリッツ・ラング監督の『死刑執行人もまた死す』と同じ事件を扱った作品とは言えないものを、以下の中から選びなさい。
1.『暁の七人』
2.『ナチス 第三の男』
3.『ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦』
4.『ワルキューレ』
では、『死刑執行人もまた死す』と同じ事件を扱った作品を選びなさいと勘違いし、『ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦』を選んでしまいました。よくよく選択肢を見たら、『ナチス 第三の男』もそうじゃん!分かった問題じゃん!と悲しくなりました。
そんな映画検定1級の問題は映画検定はサイトにて公開されてますので、皆さん是非挑戦してみてください。
映画検定2級、1級対策
恐らく今回のTwitterの盛り上がりの低さだったり、運営体制の不慣れな感じを見ると暫く映画検定は実施されないんじゃないかなと思っています。それでもまた何処かのタイミングで開催が決まった際に有効な勉強法をお伝えしましょう。
教材
正直、2級1級レベルになると範囲が広すぎてどの本を読んで勉強すればいいのか分からないかもしれません。しかし、過去問を読み込んで行くと自ずと必要な文献は3点に絞られてきます。
映画検定公式テキストブック
キネマ旬報ベスト・テン90回全史
現代映画用語事典
1級の記述問題の過去問を読むと、シネマ・ノーヴォやハリウッド・タイクーン、鳴滝組、イーリング・コメディといった聞きなれない用語の説明を求められ困惑することでしょう。しかし、実はこの本には全てこういったマニアックな用語の解説が載っているのです。今回の記述問題にあった、ヌーヴェルヴァーグやカットとショットの違いもこの本に掲載されているので、次回映画検定1級を受けるのであれば必ず目を通しておいた方がいいです。ちなみに、この本を書いているは松崎健夫だったりします。勉強法
正直、映画検定2級・1級で出題される映画を全て観るのは不可能です。かといって、勉強のために映画を観るのは結構疲れちゃうし、映画が嫌いになってしまうかもしれないので、ブンブンは映画友だちと沢山あって意見交換しました。ブンブンの周りの映画仲間はヨーロッパ映画に詳しかったり、女優に詳しかったりします。また、ブンブンが苦手な古い日本映画も、オススメを教えてくれたりします。正直1級は付け刃的な点の情報では合格は不可能です。映画と映画を結びつける線を沢山持っていないとキツいものがあります。
実際に1級に出された問題
16年間で44本の作品を残し、37歳で早逝したライナー・ヴェルナー・ファス ビンダー監督。彼が担い手の1人だった映画運動の範疇には入らない作品を、 以下の
中から選びなさい。1.『アメリカの友人』
2.『クリスチーネ・F』
3.『ドイツ・青ざめた母』
4.『ノスフェラトゥ』
ニュージャーマンシネマ監督ではない作家を選びなさいという内容なので、1のヴィム・ヴェンダース、4のヴェルナー・ヘルツォークは除外できたのですが、残り二択で迷った際に、映画仲間から「TSUTAYA渋谷店にニュージャーマンシネマの『ドイツ・青ざめた母』のVHSがあったぞ!」と言われたことを思い出し2を選び、正解にたどり着けました。
『スラムドッグ$ミリオネア』の主人公同様、過去の記憶を積み重ねて行くことで《線》を作ることができると思います。また、映画の飲み会では、我が我がと自分の知識を自慢するのではなく、生き字引として会を盛り上げて行くことで1級のような捻くれた問題も冷静に瞬殺できるようになるのではないでしょうか?
ってわけで、皆さんも是非、次回映画検定に挑戦してみてください!
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