『スピリッツ・オブ・ジ・エア』クリエイターの心象世界に癒される

スピリッツ・オブ・ジ・エア(1988)
SPIRITS OF THE AIR,GREMLINS OF THE CLOUDS

監督:アレックス・プロヤス
出演:マイケル・レイク、ザ・ノーム、ライズ・デイヴィスetc

評価:80点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

カルト映画『ダークシティ』、『キング・オブ・エジプト』のアレックス・プロヤス監督の長編デビュー作品『スピリッツ・オブ・ジ・エア』が日本公開されたので新宿シネマカリテに観てきました。これは単に映像が綺麗な作品ではなく、クリエイターの心を刺激しまくる怪作でありました。

『スピリッツ・オブ・ジ・エア』あらすじ


「クロウ 飛翔伝説」や「アイ,ロボット」「キング・オブ・エジプト」などで知られるエジプト出身のアレックス・プロヤス監督が1988年に手がけたデビュー作で、90年の第1回ゆうばり国際ファンタスティック映画祭で審査員特別賞を受賞したSFファンタジー映画。荒野に佇む小さな家に2人きりで暮らす兄妹。足の不自由な兄フェリックスは、手作りの飛行機でこの場所から脱出することを夢見ている。一方、偏執的な気質を持つ妹ベティは、この土地を一生離れてはいけないという父の遺言を忠実に守り続けている。そんなある日、スミスと名乗る奇妙な逃亡者の出現をきっかけに、世界から隔絶されてきた兄妹の日常に変化が起こり始める。日本では91年に劇場初公開。2020年2月、デジタルリマスター版でリバイバル公開。
映画.comより引用

空を自由に飛びたいな

こんなこといいな できたらいいな
あんなゆめ こんなゆめ
いっぱいあるけど

『マッドマックス』的荒野の果てにポツンと家がある。車椅子の兄と風変わりな妹が、飛行機を完成させている。

《空を自由に飛びたいな》

という夢を叶えるため。

そこへ流離いのの男がやって来る。朽ち果てたマルボロの看板を超え、モアイのように聳え立つ車、奇怪なジャングルジムもどきを超えて。兄はそんな流離いの男にやる気MAX、妹は発狂しながら、トライ&エラーを繰り返していく。

風を待つ。待てよ、風よ来い、もう少しだと。メーターとにらめっこし、そして飛行機を飛ばすが、いとも脆く壊れてしまう。それでも彼らは諦めないのだ。流離いの男に苛立つ妹をものともせずに飛行機の完成を夢みるのだ。

クリエイターというのは、自分はもちろん、誰も答えを知らない世界で夢を叶えていくもの。荒野の中で孤独に光を掴むものだ。

アレックス・プロヤスはそんなクリエイターの心象世界をスクリーンに叩きつけた。だから、ラストはあれでいいのだ。

荒野こそ、クリエイターの最強のラボラトリーなのである。

これを映画館で観られて幸せでした。

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