ハスラーズ(2019)
HUSTLERS
監督:ローリーン・スカファリア
出演:コンスタンス・ウー、ジェニファー・ロペス、ジュリア・スタイルズetc
評価:55点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
最近、女性が主役でグイグイと物語を牽引していく作品が増えています。2020年には『ワンダーウーマン 1984』、『ブラック・ウィドウ』とヒロインアクション映画が公開され、ますます映画界の女性進出が盛り上がってくることでしょう。さて、日本公開2/7(金)の『ハスラーズ』を観ましたので紹介します。
『ハスラーズ』あらすじ
リーマンショック後のニューヨークを舞台に、ストリップクラブで働く女性たちがウォール街の裕福なサラリーマンたちから大金を奪う計画を立てたという実話を、ジェニファー・ロペスと「クレイジー・リッチ!」のコンスタンス・ウーのダブル主演で映画化。年老いた祖母を養うためストリップクラブで働き始めたデスティニーは、そこでひときわ輝くストリッパーのラモーナと出会う。ストリッパーとしての稼ぎ方を学び、ようやく安定した生活が送れるようになってきたデスティニーだったが、2008年に起こったリーマンショックによって経済は冷え込み、不況の波はストリップクラブで働く彼女たちにも押し寄せる。いくら働いても自分たちの生活は向上しない一方、経済危機を起こした張本人であるウォール街のエリートたちの裕福な暮らしは変わらず、その現実に不満を募らせたラモーナが、デスティニーやクラブの仲間を誘い、ウォール街の裕福なクライアントから大金をだましとる計画を企てる。
※映画.comより引用
次世代の女性映画を求めて
2010年代は、男性社会の映画業界、MeToo問題により明らかになる女性の地位の低さに対抗する作品が多数生まれた。大きな転換として、名作の女性版リブートが作られたことにある。『ゴーストバスターズ』や『ペテン師とサギ師/だまされてリビエラ』のアレンジ『The Hustle』等が作られた。そしてその頂点として軽妙な連携プレイが清々しい『オーシャンズ8』が登場した。しかし、これらのジャンルは作られるべくして作られたものの、大抵は所詮男女入れ替えただけで、男性を貶すことが目的化しており、それから脱却しないと男女平等な社会は訪れないと感じた。
さてここに、その男女入れ替えリブートブームの先の世界へ飛び込もうとする作品がある。『ハスラーズ』はリーマンショック時にウォール・ストリートの富豪たちから巨額の金をだまし取ろうとした女性たちの実話を基にしたクライムサスペンスだ。
リーマンショックで経済が冷え込み、風俗で働く女性たちにもその皺寄せが来るのだが、依然としてウォール・ストリートのビジネスマンはピンピンしていることに不満を募らせた風俗嬢が力を合わせて金をだまし取ろうと計画する話。
ジェニファー・ロペス演じる、リーダーのラモーナはハイテンションで落ち着きがない風俗嬢たちをまとめ上げていく。そして特製ドラッグを作り、店に来る男たちを次々と泥酔させてクレジットカードを不正利用氏まくるのだ。
『オーシャンズ8』のような連携プレイを意識した作りにはなっているものの、残念ながらジェニファー・ロペスの圧倒的な存在感によって残りがモブキャラレベルにまで落ちてしまい、キャラクターの描き分けが不足しているように感じた。しかしながら、従来のこの手の作品が、男性を下げることに注力していたのに対して、本作は富豪に挑戦する者として女性を描いており、ガールズパーティーのシーンこそ少しやりすぎなイメージはあったが、割とジェンダーレス、純粋な強奪ものになっていたところは好感である。
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