WASP ネットワーク(2019)
Wasp Network
監督:オリヴィエ・アサイヤス
出演:ペネロペ・クルス、エドガー・ラミレス、ガエル・ガルシア・ベルナルetc
評価:30点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
東京国際映画祭はオリヴィエ・アサイヤス好きで、隙あれば上映してくれる。ヴェネツィア国際映画祭で評判が悪く日本公開危ぶまれた最新作『WASP ネットワーク』も当然ながら今回ビッグコンテンツとして上映された。丁度時間があったので観てみたのですが、これが案の定ダメダメな作品でありました。
『WASP ネットワーク』あらすじ
キューバからフロリダに亡命し、反カストロを掲げて母国の民主化を目指す者たちの苦闘を描いた実話。90年代を舞台にしたスピード感溢れる社会派エンターテインメント。ヴェネチア映画祭コンペ作品。
※東京国際映画祭サイトより引用
ドラマシリーズであればよかったのに…
フランスのソダーバーグとして、心理劇からホラーまで手掛けるオリヴィエ・アサイヤスが90年代にキューバ/アメリカ間で極秘に行われた諜報戦を映画化。『カルロス』に次ぐ骨太政治ドラマが期待されたが、これがダメダメでした。要するに本来10時間近いドラマになるべきものを雑に挿話をピックアップして並べただけで、話があまりにもとっ散らかっているのです。
例えば、前半ではキューバのパイロットが自由を求め、妻子をキューバに置いたままセスナを盗んでアメリカへ亡命する物語が描かれるのだが、途中からその軸からそれていき、いくつかの話が絡み合って、アメリカへ亡命した者がネットワークを形成してキューバにテロを仕掛ける物語が繰り広げられる。挿話の配置が乱雑なので、あれだけアメリカへ亡命するパートが手汗にぎるものだったのに対し、簡単にアメリカからキューバへ潜入できる様子に違和感を抱きます。
アサイヤスがアクションサスペンスを撮れるのは既に『カルロス』で証明されており、本作でも冒頭の亡命劇や爆弾テロまでのシークエンス等見どころあるシーンはあるのだが、その挿話の興奮が他のエピソードになかなか波及しないのが致命的となっている。そして、技巧で魅せるアサイヤスですが、キューバ入りをしようとするセスナ機の背後から戦闘機がミサイルを放つエピソードでは、鈍感すぎるスパイの姿に間抜けさを感じてしまいます。
結局のところ、忙しなくキャラクターを動かしているだけの作品に着地してしまい残念な仕上がりとなっていました。
やはり『カルロス』同様3部作にするか、テレビシリーズとして10時間にまとめた方がよかったのではと感じてしまった。
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