【備忘録】第32回東京国際映画祭で観たい映画

【備忘録】第32回東京国際映画祭で観たい映画

今年も東京国際映画祭のシーズンがやってきました。今回は2019年10月28日(月)〜11月5日(火)開催です。

今年は、カンヌ国際映画祭系映画の出品が非常に少なく、期待していたクレベール・メンドーサ・フィリオの『BACURAU』やカバルダ・バルカル共和国映画『Beanpole』、ベルトラン・ボネロの『Zombie Child』、エリア・スレイマンの『It Must Be Heaven』が来ませんでした。また、ブンブンも本業の方が忙しく、平日有給が取れなさそうなので、毎年恒例のラヴ・ディアス祭にも参加できません。

ということでテンション低いながら、休日に行こうと思っている作品を備忘録代わりに書いていきます。

1.叫び声

監督:渡辺紘文

『七日』、『プールサイドマン』と日本唯一無二のモノクロスローシネマの世界を紡ぎ出す鬼才・渡辺紘文最新作。渡辺紘文は地方都市の息苦しさを、空間で切り取ってみせ、会話の中にちょっぴりとユーモアを忍ばせてくる。『プールサイドマン』は2017年の新作邦画ベストテンに選んだ程、今一番注目している日本の監督の一人です。今回は豚飼いの男の日々を淡々と描いているとのこと。

2.マローナの素晴らしき旅

監督:アンカ・ダミアン

日本はアニメ大国であるが、超絶技巧の画が支配しているため、なかなかヨーロピアンアニメーションが国内に入ってこない。おそらく、ここを逃したら観られないだろうルーマニアのアニメ『マローナの素晴らしき旅』は抑えたい。アンカ・ダミアン監督は、ブカレストの演劇映画アカデミーで映画学を専攻し、後に映画の博士号を取得している。彼女は2つの長編映画や他の多くのドキュメンタリー映画の撮影監督として働いてきたのだが、冤罪に対する抵抗としてのハンガーストライキを描いたアニメーション『Crulic-The Path to Beyond』でアヌシー、ロカルノを制したことで注目される。ルーマニア・アニメ界最重要監督最新作である『マローナの素晴らしき旅』は、『僕のワンダフル・ライフ』に近いワンコの輪廻転成を描いている。

3.ミンダナオ

監督:ブリランテ・メンドーサ

『キナタイ -マニラ・アンダーグラウンド』、『ローサは密告された』のフィリピンの鬼才ブリランテ・メンドーサ最新作はなんと、アニメーションが入り混じる作品のようだ。常に異常なドキュメンタリータッチで描く彼がアニメを使ってミンダナオ島の紛争を描いているのだそう。

4.フォードvsフェラーリ

監督:ジェームズ・マンゴールド

今年のTIFF最大の激戦区だろう。『LOGAN』のジェームズ・マンゴールドがル・マンを舞台にフォードとフェラーリの企業間の熾烈な技術競争を描いた!『RUSH プライドと友情』さながら熱い男と男のぶつかりを大スクリーンで観るチャンス!既にトロントで観た人曰く、めちゃくちゃ面白いとのことで期待度高いぞ!

5.ペインテッド・バード

監督:ヴァーツラフ・マルホウル

この前のヴェネチア国際映画祭でまさかの批評家評平均ワーストを叩き出した作品。しかし、予告編を観る限り、『動くな、死ね、甦れ!』のような荒々しい少年冒険もののようで本能が傑作だと叫んでいます。劇中で使用される言語がチェコ語、ロシア語、ドイツ語、さらにはスラビック・エスペラント語まで使われるところに興味津津だ。東欧を舞台に、家を失い彷徨う少年の長い長い旅が描かれる。それにしても、イザベル・ユペール同様、ウド・キアはあらゆる鬼才の映画に登場する。東欧映画なのにウド・キア凄過ぎる!

6.サイエンス・オブ・フィクションズ

監督:ヨセプ・アンギ・ヌン

ロカルノ国際映画祭でスペシャル・メンションを獲得したインドネシアの異色ファンタジー。月面着陸を撮影して舌を抜かれる男の話って聞いただけでワクワクします。インドネシアは今後GDP世界トップレベルにまで上り詰める新興国らしい。映画もここ最近、インドネシアは注目されつつあるのでここは抑えておきたい。

7.湖上のリンゴ

監督:レイス・チェリッキ

本当は、殺戮のない『ミッドソマー』と話題の『ディスコ』が観たかったのですが、日程が合わず。コンペ作で興味がある作品を探したところ、ヴィジュアルで惹かれたトルコ映画『湖上のリンゴ』を観ることにしました。2014年頃からエストニアやジョージア、パキスタンといった辺境の作品が映画祭や配信レベルで積極的に取り上げられ、10前とは比べ物にならないぐらいアクセスしやすくなった。辺境映画好きなブンブンとしてはトルコ土着の文化がにじみ出ている本作は気にいるのではと思っている。

8.ファイアー・ウィル・カム

監督:オリヴァー・ラクセ

オリヴァー・ラクセ監督はここ数年チラホラ名を耳にする監督だ。遂に東京国際映画祭で紹介される時がきました。ガリシア移民である監督はパリで生まれ。バルセロナに移り住み映画の勉強をし、子どもと映画を一緒に作る様子を撮った『Todos vós sodes capitáns』でカンヌ国際映画祭FIPRESCI賞を受賞、『Mimosas』でもカンヌ国際映画祭批評家週間グランプリを受賞した。そんな監督の新作は村八分ものということです。個人的に村八分ものはあたりが多いので期待大だ。

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