The Dirties(2013)
監督:Matt Johnson
出演:Matt Johnson,Owen Williams,Krista Madison etc
評価:80点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
先日、アメリカにも『桐島、部活やめるってよ』みたいな作品あるんだよと教えてもらいました。Matt Johnsonデビュー作『The Dirties』は『クラークス』のケヴィン・スミスに見出され、彼によって配給され注目された作品です。果たしてどんな作品なんでしょうか?
『The Dirties』あらすじ
Two best friends are filming a comedy about getting revenge on the bullies at their high school. One of them isn’t joking.
訳:2人の親友が、高校のいじめっ子に復gettingするコメディを撮影しています。それらの1つは冗談ではありません。
※IMDb.comより引用
スクールカースト最下位で蠢く闇
本作は、スクールカーストの最下位にいる映画部の男たちの陰惨とした日々が映し出される。そのドス黒く閉鎖的な日々は、等身大のスクールカーストを投影している。なるほどアメリカの『桐島、部活やめるってよ』と言われるのも納得だ。ただ、『桐島、部活やめるってよ』よりかはリアルで生々しいのは見るも明らか。学校の隅の部室で、ニタニタと笑いながら、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』や『ゾンビ』等のオマージュを自分の作品に取り入れ編集する男たちの気味悪さと、すれ違いざまに上位階級のヤンキーに絡まれ、暴力を振られるまでの過程、授業中のちょっかい描写が一々ヒリヒリとする。
また、そんな映画部の男たちは自分たちの性癖を満たそうと、授業中に気になる女性にトンチンカンな質問をして、映画に必要なセリフを引き出し、無断で編集したり、教室の物陰から廊下に映る上位階級の女子学生を盗撮する。挙動のきめ細かい気持ち悪さは、ウォールフラワーとして生きる道しかない男の生き様を120%言い表している。そして、これは単にドキュメンタリーでもスクールカースト再現ムービーでもない。映画的復讐によって、抑圧された映画部の学生が輝くのだ。その輝きには、アメリカ社会全体に波及する問題を鋭く切り込むところがある。
そして、エンドロールでは、映画ファンが最初に通過するであろう作品のタイトルロールに本作のスタッフ名を埋め込むカッコイイものとなっており、最後の1秒まで楽しむことができました。日本未公開でFilmarksにも登録されていない作品ですが、注目されてほしい一本です。
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