『ハート&クラフト』エルメス公認!エルメス製品ができるまで

ハート&クラフト(2011)
LES MAINS D’HERMES

監督:フレデリック・ラフォン、イザベル・デュピュイ=シャヴァナ

評価:70点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

先日、映画仲間から大量にDVDを譲り受けた。譲り受けたからにはしっかり観てレビューを書かねばと思い、DVDの山を漁っていたら、エルメス製作のドキュメンタリーがあったので観てみました。時間も47分と短く、トークショー準備に追われているブンブンに優しい作品だ。果たして…

『ハート&クラフト』概要

1837年、パリの馬具工房として誕生したエルメスの根幹は、いつの時代も職人によって支えられてきた。フランスのパリ、アルデンヌ地方、リヨン地方、ロレーヌ地方という4ヶ所にあるエルメスの工房の職人を訪ねて回る。工房に響く皮革やクリスタル、シルクの音と、職人の沈黙をカメラはとらえる。職人の技術と仕草を観察し、そのなかに潜む生命の輝き、情熱、プライドを静かに解き放っていく……。
MovieWalkerより引用

エルメス製品ができるまで

ブランドとは無縁の映画オタクであるブンブンからすると、エルメスは『電車男』のイメージでしかない。そんなブンブンでも面白く観ることができました。

本作は例えるならば、採用活動用PR映像だ。就活生にエルメスの素晴らしさや業務内容を知ってもらう為の作品。故にエルメス職人としての良いところしか描いていません。だからドキュメンタリーとしてはそこまで評価はできません。

しかしながら、本作を観ると仕事を頑張りたくなるのは間違いない。また、日本の技術者、職人教育の問題点が分かります。

まず、本作が面白いのは、職人になる道は険しいが、間口は広いということ。59歳のおばちゃんや、発話障がい者、移民といった多様な人が採用され、職人の道を目指す。仕事が向いているか向いていないかは、働くまで分からない。駄目だったら別の道に行けばいいじゃないかというフランス的仕事観が職人業であるエルメス工場でも受け継がれています。そして、言語等の壁も技術を通じて克服していく姿は、日本にはなかなかないものを感じます。

また、伝統的な工場でありながら、開発にはCADみたいなものを使って、技術と効率の向上を図っているのも、なかなか日本では見かけない。

そして、最初は製作に2,000時間も要していた人物がしっかり技術を身につけることで、伝統が受け継がれていくシステム作りがちゃんとされているのを観て、職人国家日本もしっかりこういった継承のシステムを作らないといけないのではと感じた。日本ってどうしても縦社会がキツいイメージがある。師の言いなりに愚直に頑張ってなんぼという感じがする。ただ、この作品で伝統が受け継がれていく様子を観ると、個人が自分と向き合って技術鍛錬していくことこそが理想形であり、そういった環境づくりが歴史を紡いでいくのではと思わずにはいられない。

結構、日本だと後継ぎがいなくて廃業するみたいな話があるので、このドキュメンタリーはある意味後輩育成の教科書として見応えがありました。

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