ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019)
Once Upon a Time in … Hollywood
監督:クエンティン・タランティーノ
出演:レオナルド・ディカプリオ、ブラッド・ピット、マーゴット・ロビーetc
評価:50点
おはようございます、タラちゃんといえばサザエさんの癒しキャラよりもタランティーノなチェ・ブンブンです。
昨日、クエンティン・タランティーノ最新作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』観てきました。
※【ネタバレ考察】『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』クリフ・ブースは何だったのか?
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』あらすじ
クエンティン・タランティーノの9作目となる長編監督作。レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットという2大スターを初共演させ、落ち目の俳優とそのスタントマンの2人の友情と絆を軸に、1969年ハリウッド黄金時代の光と闇を描いた。テレビ俳優として人気のピークを過ぎ、映画スターへの転身を目指すリック・ダルトンと、リックを支える付き人でスタントマンのクリス・ブース。目まぐるしく変化するエンタテインメント業界で生き抜くことに神経をすり減らすリックと、対照的にいつも自分らしさを失わないクリフだったが、2人は固い友情で結ばれていた。そんなある日、リックの暮らす家の隣に、時代の寵児ロマン・ポランスキー監督と、その妻で新進女優のシャロン・テートが引っ越してくる。今まさに光り輝いているポランスキー夫妻を目の当たりにしたリックは、自分も俳優として再び輝くため、イタリアでマカロニ・ウエスタン映画に出演することを決意する。やがて1969年8月9日、彼らの人生を巻き込み映画史を塗り替える事件が発生する。
※映画.comより引用
映画に愛をこめて ハリウッドの夜、あるいはタランティーノのインテルビスタ
タランティーノ引退か否かを占う9作目が遂に日本お披露目となりました。ブンブン、昨日は会社の飲み会回避出来ず、涙ぐみながら同僚、先輩の愚痴を聞きその時を待ちました。
さて、そんなタラちゃんが放つ新作は、まさしく《映画に愛をこめて ハリウッドの夜、あるいはタランティーノのインテルビスタ》だ。
かつて、フェリーニやトリュフォーが自由自在に映画内幕ものに愛と超絶技巧を組み合わせ映画ファンを熱狂させたようにタランティーノは120%の映画愛で160分駆け抜けた。
タランティーノが素晴らしいところは、決して映画の知識をマウントの道具として使わないところだ。タランティーノのオマージュ技巧は、ヌーヴェルヴァーグの頃からある古典的なものだが、ヌーヴェルヴァーグが圧倒的知識を論文のように構築する高慢さをもっていたのに対し、タランティーノは「こんな映画知ってる？カッコいいんだぜ。」と全ての映画ファンを招き入れる。そして、映画に優劣はないということを教えてくれるのだ。
本作の場合、『サンセット大通り』や『大脱走』といった有名どころから、『ワイルド・パーティ』、『大砂塵』といったコアな作品、はたまた『グラインドハウス』の予告編などを均一にサンプリングする。
映画の中のクールなシーン、それもアクションのない部分のカッコよさをひたすらに抽出するのだ。だからこそ、観ていて多幸感に包まれた気分にさせられるし、1969年といえば映画がテレビに取って代わり、ヘイズコードの呪縛でハリウッドがどん底にいる時代にもかかわらず、某映画評論家が「古き良きアメリカだ」と言ってしまうのも無理ないなと思ってしまう。
だから、予告編に全く惹かれなかったブンブンも楽しめたのだが、同時にタランティーノがすっかり丸くなり、守りの映画になってしまっているところが彼の長所である常識破りの新鮮さを薄味にしてしまったとも言える。
タランティーノ映画おきまりのダラダラした会話、時系列いじりに群像劇としての離散収斂、これはお決まりどまりとなっている。また、彼がラストに仕掛けたサプライズも、映画中盤で分かってしまい、ツイストなくストレートにその未来を魅せられてしまったので肩透かしを食らってしまった。しかも、それは別の作品で既にやっているテクニックで、二番煎じ感が出ていたのです。
無論、本作は例の如く語りたくなる作品だ。主人公にもかかわらず、空気人形として、横にいるだけのブラッド・ピットことクリフが何を表しているのかはしっかり考察する必要がある。
※【ネタバレ考察】『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』クリフ・ブースは何だったのか?
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