【カンヌ国際映画祭特集】『時の彼方へ』イスラエルの珍しいコント映画

時の彼方へ(2008)
原題:Le Temps qu’il reste
英題:The Time That Remains

監督:エリア・スレイマン
出演:アリ・スリマン、サレ・バクリ、エリア・スレイマンetc

評価:60点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

第72回カンヌ国際映画祭にエリア・スレイマンの新作『It Must Be Heaven』がやってきました。本作は、映画監督エリア・スレイマンの旅を描いた半分ドキュメンタリーのようなコメディ・ロードムービーです。エリア・スレイマンは、『D.I.』でカンヌ国際映画祭審査員賞を受賞し、フランスメディア21社全てが星5中4以上をつけ注目されたイスラエル出身の作品です。初期のサイレント映画のような面白さを通じて、イスラエル社会を風刺して魅せる手法がシネフィルや映画評論家の心に刺さり愛されている監督であります。そんな彼の旧作『時の彼方へ』に挑戦してみました。

『時の彼方へ』あらすじ


An examination of the creation of the state of Israel in 1948 through to the present day.
訳:1948年から現在に至るまでのイスラエル国家創設の考察。
imdbより引用

イスラエルコント映画

恐らく、サミュエル・マオズ監督は『運命は踊る』を製作する際、エリア・スレイマンを参考にしたのであろう。固定カメラによる客観視でもってイスラエル社会のシリアスな不条理を皮肉って魅せる手法の原点を本作から感じ取りました。軍人が歩く。おばさんが叫ぶと、即射殺する。男がゴミ出しに出ると、戦車の砲台は男を撃とうと右へ左へ移動する。しかし、男はなかなか家に帰らず、スマホで電話なんか始め、砲台の無機質な苛立ちが漂う。棒高跳びで、壁を乗り越えようとしたりと、無軌道なまでに人々は行き来する。緻密に計算されて配置した人と空間構図の美しさがより一層、風刺画の側面を強めていき、いかにイスラエルが滑稽なまでに狂っているのかをエリア・スレイマンは声高らかに主張する。セリフはあるようでないようなもの。ストーリーはあるようでないようなもの。コントの詰め合わせ、大盛り弁当は、映画史初期、チャップリン時代にまで我々を誘い、政治的強さを映画的面白さに包みワクワクドキドキを与えてくれる。

中東情勢に疎いので、分からない部分も多いのだが、変わったアプローチでイスラエルを伝えるエリア・スレイマンの眼差しに惹き込まれました。

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