第69回ベルリン国際映画祭コンペ作品追加発表、A.ヴァルダ、A.ホランド、I.コイシェetc

第69回ベルリン国際映画祭コンペ作品追加発表

先日、第69回ベルリン国際映画祭コンペティション部門の追加発表がありました。どうも今年のベルリンは、個人的に興味惹かれる作品に乏しいのですが、アニエス・ヴァルダが『顔たち、ところどころ

』で映画に対する情熱が再熱したのか新作を発表したので、これは楽しみです。またいつものように軽く紹介していきます。

第69回ベルリン国際映画祭コンペ作品発表、F.オゾン、F.アキン、A.シャーネレックetc

So Long, My Son

監督:ワン・シャオシュアイ
出演:Wang Jingchun, Yong Mei
製作国:中国

『重慶ブルース』で知られる中国映画界「第六世代」の映画作家・王小帥最新作。1980年代から現代にかけての夫婦の軌跡を通じて中国の経済を見つめる作品。

Elisa & Marcela

監督:イザベル・コイシェ
出演:Natalia de Molina, Greta Fernández
製作国:スペイン

3月に日本公開される『マイ・ブックショップ』のイザベル・コイシェ監督がNetflixと手を組み製作した作品。1901年を舞台に15歳のElisa Sanchez Lorigaと結婚するため、本名を偽ったMarcela Gracia Ibeasの話。いつもムーディーでゆるい映画を作るイメージの強いコイシェ監督ですが、何やらドロドロそうな話です。

God Exists, Her Name is Petrunija

監督:Teona Strugar Mitevska
出演:Zorica Nusheva, Labina Mitevska
製作国:マケドニア他

マケドニアの映画監督Teona Strugar Mitevskaの作品。マケドニアの女性が、男性の為の儀式に対して立ち上がるという内容。『ビフォア・ザ・レイン』のミルチョ・マンチェフスキ以来のマケドニア発の傑作の予感がします。

Marighella

監督:ヴァグネル・モウラ
出演:Seu Jorge, Adriana Esteves
製作国:ブラジル

テレビシリーズ『ナルコス』でパブロ・エスコバルを演じたヴァグネル・モウラが映画監督デビュー。マルクス主義のブラジル人作家マリゲラの伝記映画です。『ナルコス』や『エリート・スクワッド』と骨太作品の現場を渡り歩いた彼の目線から見るブラジルの革命家はどう映るのだろうか?

Mr. Jones

監督:アニエスカ・ホランド
出演:James Norton, Vanessa Kirby
製作国:ポーランド他

『ポコット 動物たちの復讐』で同映画祭アルフレッド・バウアー賞(銀熊賞)を受賞したアンジェイ・ワイダの弟子アニエスカ・ホランド監督作。1930年代にソ連の飢饉を報道したウェールズのジャーナリストに迫った作品。「Mr. Jones」という作品は他にリチャード・ギア出演の『心のままに(Mr. Jones)』があるが、これとは関係ありません。

Öndög

監督:ワン・チュアンアン
出演:Dulamjav Enkhtaivan
製作国:モンゴル

ワン・シャオシュアイに引き続き、中国「第六世代」出身監督の作品がコンペ入り。『トゥヤーの結婚』で知られるワン・チュアンアンの最新作は、モンゴルで製作されたこと以外まだ謎に包まれています。

The Operative

監督:ユバール・アドラー
出演:ダイアン・クルーガー、マーティン・フリーマン
製作国:ドイツ他

『ベツレヘム 哀しみの凶弾』のイスラエル出身監督ユバール・アドラーがダイアン・クルーガー主演に撮った作品。イスラエル諜報特務庁に雇われ、テヘランに潜入した女性スパイの物語。

La paranza dei bambini

監督:Claudio Giovannesi
出演:Francesco Di Napoli, Ar Tem
製作国:イタリア

日本では、まだ知られていない名作家Claudio Giovannesi監督のギャング映画。AK-47で武装した少年がナポリで暴れる作品らしい。

Systemsprenger

監督:Nora Fingscheidt
出演:Helena Zengel, Albrecht Schuch
製作国:ドイツ

9歳の女の子が、児童保護サービス(迷子センター?)を駆使して列車旅するロードムービー。監督も俳優もよくわかりませんが、あらすじを読む限り一番面白そうな作品。

Out Stealing Horses

監督:ハンス・ペテル・モランド
出演:Stellan Skarsgård, Tobias Santelmann,
製作国:ノルウェー他

『未体験ゾーンの映画たち』恒例シリーズ『特捜部Q』の『Pからのメッセージ』を手がけたハンス・ペテル・モランド最新作。未亡人が偶然の出会いをきっかけに過去の記憶へ引き戻されるという内容。

Varda by Agnès

監督:アニエス・ヴァルダ
出演:アニエス・ヴァルダ
製作国:フランス

『顔たち、ところどころ』に引き続き、アニエス・ヴァルダ監督の旅日記的ドキュメンタリー。彼女はすっかり劇映画を撮らなくなったが、彼女の撮るドキュメンタリーは毎回魅力的だ。ブラタモリ通り越して、もはや王様のブランチのようなただの散歩、にも関わらず観客を惹きつける強い魔力を秘めています。果たして今回はいかに…?

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