ルル(1980)
Loulou(1980)
監督:モーリス・ピアラ
出演:イザベル・ユペール、ジェラール・ドパルデュー、
ギイ・マルシャンetc
評価:60点
楽しい楽しいゴーモン特集も最終日。最終日の目玉はピアラのレア作『ルル』と『私たちは一緒に年をとることはない
』。ブンブンの映画仲間たち大集結、皆で和気藹々とピアラを謁見した…
『ルル』あらすじ
モーリス・ピアラがかつて付き合った恋人アーネット・ラングマンとの関係を映画化。パリでくすぶっている男。彼の恋人とのダラダラした生活を映し出す…ベッドが爆発!ドパルデューの裸に燃えよ!
本作は、ピアラのかつての恋人アーネット・ラングマンと彼との恋愛を描いたBASED ON A TRUE STORYだ。パリで消耗している男と女のくっつき離れる様を、過程を徹底的に排した作りで描いている。
DVマシーンと化したドパルデューの歪なボディ、お尻と『鱒
』に引き続きフェロモン全開のユペールのプレイ、プレイ、プレイを観客は目撃した。ベッドが爆発する程のプレイ、ドパルデューの汚い裸、魅せつけてくる裸、あまりに彼扮する主人公がクズすぎて笑いすら起きてくる。
トークショーで知ったのだが、ピアラとユスターシュは互いに影響をおよぼしあっていた監督とのこと。ピアラが『私たちは一緒に年をとることはない』をカンヌに出品、その翌年にユスターシュは全く同じ内容である『ママと娼婦』を発表し、賞を掻っ攫う。ピアラは彼に嫉妬をするが、しっかり研究だと言い訳し劇場で『ママと娼婦』を分析した。
それから7年越しで作られた本作は、まさしく『ママと娼婦』からインスパイア受けて作られている。ベッドシーンを執拗に描くことで、ユスターシュのテクニックをものにしようとしているのが伺える。
とはいえ、本作は過程がないから、癖に慣れるまで時間がかかる。ちょっとベルイマン、寝るいまん睡魔が押し寄せてきた。『私たちは一緒に年をとることはない』と併せて観ると本作の旨味が滲み出てきて面白く感じたのだが、瞬間的には、可もなく不可もないという印象であった。『死ぬまでに観たい映画1001本』に掲載されているが、やはり『私たちは一緒に年をとることはない』を掲載すべきなのではと感じた。
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