【男の魂に火をつけろ!企画】お酒映画ベストテン発表
定期的にブログサイト《男の魂に火をつけろ!
》で開催されるベストテン。今シーズンのテーマは《お酒映画》でした。意外とパッとお酒映画は浮かばない。一週間ぐらい、自分の記憶を辿り寄せて、お酒映画のベストテンを作ってみました。
もくじ
1位:荒野の千鳥足(1971)
監督:テッド・コッチェフ酒の種類:ビール
一番最初に思い浮かんだ酒映画はこれ。『ランボー』の監督が撮ったホラー映画。シドニー旅行の途中で立ち寄った寂れた町で、男が歓待されまくりおかしくなっていくという内容。町人のアルハラ歓待は、非常に恐ろしい。誰も襲ってくるわけでもないのに、背筋が凍る。そして不味そうなビールを男は飲んで飲んで飲みまくるのだが、何故か観終わった後に無性にビールが飲みたくなる。なんとも恐ろしい作品だ。
2位:サイドウェイズ(2004)
監督:アレクサンダー・ペイン酒の種類:ナパバレーのワイン
高校時代に観て、「大学生になったらナパバレーに行ってワイナリー旅行したいなー」と思った一本。正直、ストーリーは次の日に忘れるレベルなんだけれども、観光映画として強烈に脳裏に焼きついた。実は本作は日本でリメイクされていて、こちらもなかなか面白かった。小日向文世がワイン一気飲みするシーンが印象的。
ちなみに、ナパバレーにはフランシス・フォード・コッポラが営むフランシス・フォード・コッポラ・ワイナリーがあります。
3位:男性の好きなスポーツ(1964)
監督:ハワード・ホークス酒の種類:マティーニ
マティーニといえば、ジェームズ・ボンドであるが、個人的にあまりピンとくるシーンはなかった。寧ろ、マティーニが効果的に使われている作品は、ハワード・ホークスの『男性の好きなスポーツ』だ。魔性の女に振り回される男をコミカルに描くためにマティーニが使われる。回転式のバーで、男は気取ってマティーニを頼むのだが、飲もうにも邪魔が入って飲めない。しかも、魔性の女を説得しようものなら、バーカウンターが回転しているものだから見ず知らずのカップルに突撃してしまう。このシーンがとてつもなく面白かった。
4位:ザ・バース・オブ・サケ(2015)
監督:エリック・シライ酒の種類:吉田酒造店の日本酒
吉田酒造店で日本酒が製造されるまでを外国人監督が撮った作品。早朝から夜中まで、粛々と精米、製菊、醪などといった工程をこなしていく様子が美しく描かれる。外国人監督から観た日本酒製造現場の神秘性は、普段日本酒を飲まないブンブンを惹きつけるものがあった。
5位:ウルフ・オブ・ウォールストリート(2013)
監督:マーティン・スコセッシ酒の種類:マコノヒーのショット
何といっても、マシュー・マコノヒーがディカプリオに株の世界の闇を教えるシーンで使われるショットがサイコーにイカしています。ショットをキメ、胸を叩きながらゴリラ顔でビートを刻むシーンは、テンションがぶち上がりました。
6位:SHOAH(1985)
監督:クロード・ランズマン酒の種類:ウォッカ
アウシュビッツ=ビルケナウ収容所関係者のインタビューだけで構成された9時間のドキュメンタリー。なんでそんな作品がここにあるのかと疑問に思うかもしれない。しかし、本作のある酒のエピソードが強烈にブンブンの脳裏に焼きついたのでランクインしました。
それは収容所までユダヤ人を輸送する列車の運転手に対するインタビュー。操縦席にまで死んだユダヤ人の強烈な臭いが来るので、給料にウォッカが支給され、ウォッカを飲みながら運転することで臭いから耐えてたという内容が明らかにされる。ナチス映画は少女漫画映画並みに1ヶ月1本ペースで公開されるが、未だに語られていない凄惨なエピソードがあることを本作から学んだ。
7位:ヘンリー・フール(1997)
監督:ハル・ハートリー酒の種類:バドバイザー
本作にはやたらとバドバイザーが登場する。そしてこのバドバイザーの映し方がメチャクチャかっこいい。観終わった後、ソッコースーパーでバドバイザーを買いに行く程、バドバイザーの映画だった。
8位:ザ・マスター(2012)
監督:ポール・トーマス・アンダーソン酒の種類:ホアキン・フェニックスが作る謎の酒
物語前半、ホアキン・フェニックス扮する荒くれ者が謎の酒を作り、銀の水筒で呑むシーン。明らかに体に悪そうな酒なのだが、ホアキン・フェニックスがやさぐれた感じで呑むその酒はどこか魅力的で、憧れを抱く。そして、銀の水筒が欲しくなった。
9位:聖なる酔っぱらいの伝説(1988)
監督:エルマンノ・オルミ酒の種類:バーで出される酒
これは歴とした酒の映画だ。ホームレスは、人から借りたお金を返そうと頑張るのだが、どうしてもバーに行って酒を飲んでしまう。その背徳感の描き方が見事。ブンブンは約束守らない人が嫌いなので、通常だったらこのホームレスに怒りを覚えるはずなのだが、どこか憎めない。そして、長回しで描かれる雨の日のバーの様子が本当に美しい。これはビジュアルの話ではない。空気感の話だ。
10位:酔いどれ詩人になるまえに
監督:ベント・ハーメル酒の種類:バーで出される酒
チャールズ・ブコウスキーの『勝手に生きろ!』の映画化。大学時代にこの小説と出会い、衝撃を受けて映画も観たのだが、これが面白い。フーテンで、仕事も続かず、酒ばっかり飲んでいる男。メチャクチャうざいのだが、ウザさを極めすぎてチャーミングに見えて来るところがなんともいえない。そして、退廃が渦巻くバーの雰囲気が主人公の性格を象徴していて、非常に面白かった。
最後に…
いかがでしょうか?なかなかお酒映画でベストテンを作る機会がないので、新鮮なラインナップになりました。もし興味ある方は、《男の魂に火をつけろ!
》で自分の想い想いのお酒映画について語ってみてはいかがでしょうか?
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