『未成年だけどコドモじゃない』中島健人派?知念侑李派?あなたに送る最高のクリスマスプレゼント

未成年だけどコドモじゃない(2017)

監督:英勉
出演:中島健人(Sexy Zone)、平祐奈、知念侑李(Hey! Say! JUMP)etc

評価:90点

今青春キラキラ映画、少女漫画映画の新たな匠として英勉(読み方は:はなぶさつとむ)がいます。彼は『ハンサム★スーツ』でデビューし、『高校デビュー』や『貞子3D』といった色物を細々と撮っていた。しかし、2015年の『ヒロイン失格

』でシネフィルから注目され一気に売れっ子作家に。今年は『トリガール!』『あさひなぐ』、そして本作と3本もの青春キラキラ映画/少女漫画映画を作った。前2作は未見だが、TOHOシネマズフリーパスで最後の1本『未成年だけどコドモじゃない』を観てきました。

『未成年だけどコドモじゃない』あらすじ

セレブなお嬢様・折山香琳は16歳の誕生日にイケメンとの結婚を両親からプレゼントされる。しかし、相手は貧乏で金目当てのクズ野郎・鶴木尚だった。いきなり家庭内別居、貧相なおんぼろや暮らしと悲惨な日々が始まった。折山香琳はどうする?

Sexy Zone中島健人と平祐奈からのクリスマスプレゼント

ここ1ヶ月近く『未成年だけどコドモじゃない』の予告編で暴れる平祐奈にノイローゼ気味だった。ネタもラブコメ映画帝王廣木さんが撮った『PとJK』に被るので大して期待はしていなかった。

さて時は12/23性なる日、街はリア充ムードの中TOHOシネマズ渋谷へ。この日は同業者も自宅謹慎なのか、客席8割埋まっているにも関わらず誰も仲間がいない。そしてなんと男性客はブンブンと後方カップルの2人だけというエクストリームな状態で観ました。

これが、ハイローを超える大大大傑作。それも少女漫画映画最高傑作だと思っている『黒崎くんの言いなりになんてならない

』を超える作品だった。

まず冒頭1分から素晴らしい。絵本から始まるおとぎ話調。まさかのディズニーやジャック・ドゥミに闘いを挑み始めます。重低音の執事・鏑木のイケボ(村上新悟が演じているのだが、これがまた良い味を出している)と共にミュージカルシークエンスが幕を開ける。高嶋政宏とシルビア・グラブ演じる折山香琳の両親の高音で歌われるウキウキソングに笑いと興奮が巻き起こります。また、少女漫画映画だからと手を抜かない洗練されたショットに惹きこまれる。

こうして、本編が始まるのだが、やはり英勉監督はヒロインをいかに可愛く面白く撮るかを徹底していた。バカのボルテージをレベル1000にまで押し上げる、それも神々しい程の逆光で平祐奈に演じさせる。冒頭に散々おとぎ話アピールをしているので、観客はどんなに平祐奈が嫌いでも、あれっあれっとグラビティに吸い寄せられます。

そう、この引き込みがあるからこそ、本作は素晴らしい作品になっている。単なる金目当て結婚したセクゾ中島健人お兄さんは、最初は高圧S男、イケメンなクズなのだが、何もできない平祐奈扮するカリンちゃんに「彼女を育てたい」という想いが芽生える。そして教育を通じて愛を深め合う。立派なピグマリオン映画の完成である。

そして、最後までストイックにギャグをねじ込み、ダウンタウンの「笑っちゃいけない」シリーズ並みに呼吸困難、腹筋崩壊な作品に仕立て上げていました。ツンデレ国、日本の観客も最初は笑いを堪えていたが、中盤以降、ドッカンドッカン爆笑の嵐でした。

終いには、私の心も中島健人と平祐奈に奪われてしまいました。

これはサイコーのクリスマスプレゼントと言えよう。

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