ザ・ローリング・ストーンズ/
ギミー・シェルター(1970)
GIMME SHELTER(1970)
監督:デヴィッド・メイズルス,
アルバート・メイズルス,
シャーロット・ズウェリン
出演:ザ・ローリング・ストーンズ
評価:80点
最近音楽ドキュメンタリーに嵌まっている。というのもエアロスミスやモーターヘッド、KISS等の活動とメタルバンドの苦悩を描いた「ザ・メタルイヤーズ」をNetflixで観て、これががメチャクチャ面白かったからだ。メタルってアブナイ人の集まりってイメージが強いが、営業は頑張るし、怖い外見に反して「ドラッグとアルコールはダメだよ!」と言ってたり「ヘドバンする人怖い」とおびえていたりと普段知り得ない世界を観ることができて楽しかった。その勢いで、「オルタモントの悲劇」を撮った「ザ・ローリング・ストーンズ/ギミー・シェルター」を観てみたぞ!「ザ・ローリング・ストーンズ/ギミー・シェルター」概要
1969年、大雨とキャパオーバーにより米軍が「災害」扱いとして出動する羽目になった伝説の音楽フェスティバル「ウッドストック’69」。奇跡的に死傷者0だったことから今でも語り継がれている伝説だ。しかしその年の暮れにもう一つ伝説があった。ザ・ローリング・ストーンズがツアーの最後にオルタモント・スピードウェイでフリーコンサートを開いたところ、ヒッピーとコンサートの警備員として雇われたヘルズ・エンジェルスが乱闘を始め、ついには死傷者を出してしまったのだ。本作は、純粋なストーンズのライブを撮ろうとして、想像を絶する地獄絵図が撮れてしまったトンデモドキュメンタリーだった…ヤバイもんを観た
ドキュメンタリー映画は、現在進行形を撮る為不測の事態が起きる。ある種、そのハプニングが凄いかどうかで作品の評価が決まってしまう。このローリング・ストーンズのライブを収めた本作は、音楽ドキュメンタリー史上最も恐ろしいものを撮ってしまった。
撮影スタッフは、未来に起きるこの悲劇を知らない。だから、ヒッピーが機材に乗り暴れたり、その前のライブでステージ乱入が発生しているのに、「ウッドストックでは大丈夫だった」と言い野放しにしてしまう。明らかに、危険な、一触触発な事態に本ドキュメンタリーを観る者はハラハラドキドキする。
さっきまで、「サティスファクション」や「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」のドープな演目を楽しんでいたのに、戦慄してくる。そして、「悪魔を憐れむ歌」が始まり、乱闘発生、演奏中断を挟み「アンダー・マイ・サム 」を弾くと遂に死傷者が出てしまう。決定的殺人の瞬間に背筋が凍った。
War, children, it’s just a shot away
It’s just a shot away!
な衝撃ドキュメンタリーと言えよう。
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