【アフリカ映画研究】「XALA」勃たなくなったら人生終了のセネガル産ブラックコメディ

XALA(1974)

監督:センベーヌ・ウスマン
出演:Fatim Diagne, Makhouredia Gueye etc

評価:85点

アフリカ映画研究中のブンブンが出会ったのはセネガルのブラックコメディ「XALA」です。男尊女卑・政治的汚職を皮肉った作品らしいが果たして…

「XALA」あらすじ

官僚のエル・ハジは、金にものを言わせ、政治家を買収し悠々自適の生活を送っていた。そんなある日、3人目の妻を迎えいれようとするのだが、誰かにXALAという呪いを掛けられて、勃起ができなくなり…

恐ろしいブラックコメディ

重い話かと思いきや、すんげー黒いコメディであった。汚職官僚が富に身を任せ、金で買収、一夫多妻で女をおもちゃとして扱う。そんな悪の一人が、妻の呪いで勃たなくなった。「あれっ可愛子ちゃん前に勃たない」と気付き、めちゃくちゃしょげます。怪しい魔術師のところに行き、変な水と性交前の儀式を教わる。ドンだけ藁を掴む想いなんだ!それを魔術師は、「お前は中途半端だね」とあざ笑う。

そう、いままで都会的な生活を送ってきており、宗教や魔法を信じなかった者が、泣く泣く信じるようになる中途半端さを皮肉っている。

そして段々、この映画の世界では勃たなければ、人として見られない世界だと気付き笑えなくなる。
さらに観ていくうちに、女、虐げてきた障がい者、そして、官僚仲間に追い詰められていく様子は本当に怖かった。

女や障がい者が放つ台詞の一つ一つが重く、ずんと来る。例えば、前妻が「私の愛は横ではなく縦よ!」というシーンはかなり印象的だった。

暑苦しい映像に「アババーーーー!!!」という慟哭からなる音楽が観客を釘付けにするだけあって、真夏に砂丘の真ん中で観たい作品といえよう。無論、砂丘かなんかで観たら、厚さで発狂しそうになるとは思うがww

センベーヌ・ウスマンの「母たちの村」が観たくなったブンブンでした。

ブロトピ:映画ブログ更新

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です