【ネタバレなし解説】1/13公開「ネオン・デーモン」NWRが放つ「ショー・ガール」

ネオン・デーモン(2016)
THE NEON DEMON(2016)

監督:ニコラス・ウィンディング・レフン
出演:エル・ファニング、
キアヌ・リーブス、
カール・グルスマンetc

評価:80点

青山シアター


オンライン試写会で
ニコラス・ウィンディング・レフン監督
最新作「ネオン・デーモン」を観ました。

本作はamazonstudios製作で行われ、
昨年のカンヌ国際映画祭で物議を
醸した作品。
そしてカイエ・ドゥ・シネマ2016 
ベストテンにて3位
の成績を収めた
作品でもある。

デンマークの鬼才は今回
どんなマジックを魅せてくれたの
だろうか?

「ネオン・デーモン」あらすじ

16歳の少女ジェシーは、
モデルを夢見てロサンゼルスに
やってきた。天性の美貌により
すぐに一流カメラマンに
引っ張りだこになる。
しかし、業界は甘くなく、
彼女を引きずり
落とそうとするのだった…

難解です…

東京国際映画祭で観た映画仲間が、
次々と「これ物語ないよw」みたいなことを
言っていて、はっきりとした感想を
耳にしない状態で少し不安ながら
観たのだが、なるほど
これはフランス人大好き
カイエ・ドゥ・シネマ ベストテンにも
入る難解な作品であった。

いや、話はシンプルだ。
所謂業界映画で下から
のし上がっていくヒロインの
心情を描いた話。
正直「イヴの総て」だ。

そして「イヴの総て」といえば、
ドロドログチャグチャにアレンジ
したバーホーベン伝説のカルト映画
「ショー・ガール」をも思い浮かべる。

しかし、この「ネオン・デーモン」は
「ショー・ガール」の上をいく変な
作りをしていたのだ。

まず、基本的に台詞はありません。
エル・ファニング扮する無垢な
少女の官能的なポーズ、
それを舐めるように撮るカメラマン、
そしてそれを嫉妬する女達の
顔が物語が進むに連れ
虚実グチャグチャに
入り交じり、
まさにレフンの変態アート
2時間耐久レースと言ったところ。

なので、観る人は相当選びます。
「アンダー・ザ・スキン」や
マップ・トゥ・ザ・スターズ

」の
ようにビジュアル路線な作品が
好きな人はがっつり嵌まる
作品だが、それ以外の人は
寝るかもしれません。

サントラが凄い!

本作はレフンとエル・ファニング
で織りなす官能美を盛り上げるべく、
最高のサントラを用意している。
ドライヴ

」「オンリー・ゴッド」に
引き続き、クリフ・マルティネス
が作曲しているのだが、
遠くから鼓動するグルーヴ感に
トランスすること間違いなし!

これから観る人に
解釈のヒント

これから観る人の為に、
本作の筋を追うヒントを
書いておきます。

まず、本作を観る上で
注目して欲しいポイントは
「整形」だ!

主人公の少女は無整形なのに、
対し出てくる女優は皆整形をしている。
他の女優は「自分の素顔が嫌いだから
整形してなりたい自分になる」と
言っているのに対し、
主人公は「私は自分の素顔が好き」という。

また、レストランで
主人公のカレシ的存在な
男が「美しさは内面で分かる」と
言うシーンがある。

つまり、本作は登場人物の
顔を観て、化けの皮がはがれていく
様子に注目することで比較的
納得のいく結論を得られるであろう。

そして、もう一つ。
本作のラストでぎょっとする
出来事が立て続けに起きます。
あまりの展開にびっくりすると
思うが冷静に観てみると、
比喩的表現を映像で実演して
魅せていることがわかる。
「他人を押しのけて上に
上がっていくこと」
とは
どういったことなのかを
考えて観ることをオススメします。

日本公開は1/13よりTOHOシネマズ六本木他にて!

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