【ゼミレポート】「マルコムX」スパイク・リーさん!スタイリッシュ過ぎですよww

マルコムX(1992)
Malcolm X(1992)

マルコムX

監督:スパイク・リー
出演:デンゼル・ワシントン,
アンジェラ・バセットetc

評価:50点

ブンブンの所属するリービ英雄ゼミで
ジェームズ・ボールドウィンが脚本を
手がけた(クレジットなし)といわれる
「マルコムX」
を扱うってことで事前に
観ました。

マルコムXとボールドウィンの対話
1963/9/5(英語です)

「マルコムX」を観たのは、
たしか中学3年生の時。
とにかくアカデミー賞関係の
作品だからと観た記憶があります。

しかし、あまり記憶になかったので
今回観て新鮮でした。

「マルコムX」あらすじ

アレックス・ヘイリーとマルコムXによる
共同執筆本「マルコムX自伝
(The Autobiography of Malcolm X)」を
ベースに、黒人作家ジェームズ・
ボールドウィン(「Sunny’s Blues」)、
カルト映画「真夏の夜の
ジャズ」アーノルド・パール
が脚色を
加え、ニュー・ブラックシネマの
代表的存在スパイク・リーが
まとめあげた3時間20分の大作。

マルコムXが競馬で一旗揚げようとする
ギャングをやっていた頃から、
投獄、ネーション・オブ・イスラム
への加入、
そして教祖との対立から暗殺事件まで
をスタイリッシュな映像で展開した
伝記映画だ。

ちょっとスタイリッシュ過ぎじゃないか?

ブンブン、中学3年生の頃に観たはずなのに
驚きがいっぱいの3時間でした。

黒人に対する差別から
立ち上がる一人の男を追った作品だと
思っており、ブンブンの記憶上では
虐げられる人々のビジュアルしか
頭になかったのだが、
なんと本作に出てくる黒人の
ファッションがどれもスタイリッシュで
クールなのだ!

冒頭、独特なダンス、奇抜な衣裳で
街を闊歩する若きマルコムXと
チンピラ仲間。
これって、サプールやん!
マルコムXが生きた1925~1965までのアメリカの
黒人って白人から差別されたり、
貧しい人も多くて
ファッションは言い方は悪いが
汚かったはずである。
伝記映画なのにリアリズムに
欠ける作品に見えました。
また
1989年に公開され問題となった
ドゥ・ザ・ライト・シング

」にあったような、
黒人目線で差別を描きながらも、白人や韓国人、
プエルトリコ人の目線を入れてくる
感じはなく、まるで
1970年代に流行った
ブラック・スプロイテーション映画
のような黒人至上主義

映画に成り下がっているようにも見えた。

↑ブラックスプロイテーション映画例
「スウィート・スウィートバック」

確かにヴィジュアルは超絶クールで、
3時間20分の時間を長く感じさせない
上手い演出なんだけれども、
差別をテーマに描いているのに、
黒人を格好良く描こう、
マルコムXを美化しようと
しすぎた作品になっており、
伝記映画として失格なのでは
と感じた。

小話:辞書

それでも3時間20分で語られる
マルコムXの逸話は興味深い
ものが多い。

まず辞書の描写だ。
マルコムXが獄中、
受刑者のベインズから
ネーション・オブ・イスラム
について教えてもらうシーン。

ベインズはマルコムXに
辞書を見せて、
「Blackと辞書で引いてみろ、
悪い意味しか載ってないだろう。
Whiteと引いてごらん。
良い意味しか出てこない。
辞書を作った人が
白人だからBlackに酷い意味を
あてるんだ!」

と論じる。

日本人からすると、
「日本でも黒は腹黒い
みたいに悪い意味で使われるよ」
と思ってしまうので、
胡散臭さがあるのだが、
ベインズの魂ある
説得には強烈なものがあり、
ブンブンがマルコムXだったら
めっちゃ影響受けるだろうな
と感じた。

小話2:宗教対立

物語終盤、
ネーション・オブ・イスラムの
リーダーである
イライジャ・ムハンマドが汚職を
していることに気づき始め失望した
マルコムXが、サウジアラビアのメッカに
巡礼するシーン
があるのだが、
しっかり巡礼シーンを細かく見せてくれて
これまた面白かった。

飛行機でサウジアラビアに降り立った
マルコムXは慣れない環境ながらも
現地人とコミュニケーションを
図り観光案内してもらう。

そして、宗教を通じて
見ず知らずの人。
それこそ白人とも
手を取り合って礼拝を
行ううちに、
なるべく武力に訴えるのは
やめよう。
宗教同様、他人を信じよう
と改心するのだ。

しかし、その直後
アメリカに戻って
演説会を行ったら
暗殺されてしまったのだ。

この切なさは
心にぐっと来ました。

最後に

映画版は、スパイク・リー
が本気出しすぎて変な
方向にベクトルが
行ってしまったので、
原作である
「マルコムX自伝」や
アメリカの黒人の起源を
追った「ルーツ」

読みたくなったぞ~

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