イレブン・ミニッツ(2015)
11 MINITS(2015)
監督:イエジー・スコリモフスキ
出演:リチャード・ドーマー、
ボイチェフ・メツファルドフスキetc
評価:80点
「出発」でベルリンを「ザ・シャウト」でカンヌを
そして、
「ライトシップ」
「エッセンシャル・キリング」
でヴェネチア国際映画祭をと
三大映画祭を
制したポーランドの巨匠
イエジー・スコリモフスキ監督が
5年ぶりに放つ新作は群像サスペンス!
11分後に「何か」が起こる。
その「何か」に向かう人々を
追った作品だ。
スコリモフスキ作品は外れなしと
映画好きの間でも人気を誇る
監督だけにブンブンも
ヒューマントラスト
シネマ有楽町に行ってきました!
平日なのに混んでいましたよ~
「イレブン・ミニッツ」あらすじ
映画監督、女優、ホットドッグ屋の男、バイク便に絵描き、こそ泥少年、そして犬。
彼らの予定された5時は来なかった。
数々のミスや偶然で不運にも迎えた
5時11分。彼らはとんでもない
光景を目にするであろう
監督デビュー作のような初々しさ
予告編やあらすじを読んだ映画ファンは
ピンとくるでしょう。
11分後に何が起きるのか。
なので、本作は人によってはヴィジュアル
だけの映画と受け取ってしまっても
しょうがない。
はっきり言って、
処女作感出まくっている作品だ。
しかし、何作も怪作・傑作
を作るスコリモフスキの
手にかかるとあっと驚く
ピタゴラスイッチの完成だ。
78歳とは思えない斬新で
スマートな演出が光る。
まず、カメラワークが
どうかしています!
冒頭。スマホ画面や監視カメラの
画面をめまぐるしい勢いで展開する。
映像がぐらんぐらんして何が
起こっているのかわからないが、
なんとなく登場人物の設定が
少し見えてくる。
そして、待ち合わせに遅刻しそうな
男、ホットドッグ屋の男の断片的
数分が展開される。
きちんと、各パートの一部を
伏線として利用するので、
観客は「次に何が起きるのだろう」
とハラハラさせられる。
そして、ストーリーがノリに
乗ってくるに従って、
カメラワークもクレイジーな動きを
する。「サウルの息子
」か!と
ツッコミたくなるような、
顔面全体を画面に覆うぐらい
至近距離で人物を追ったり、
いつの間にか、犬の視点で
物語を進めたり、
終盤に行けば行くほど、
ドラッグの効果を感じる
サイケデリックな演出へと
変わっていく。
また、本作はそんなぶっ飛んだ
カメラワークからストーリーを
守るように効果的にサントラが
使われている。
常にドゥオーンドゥオーンと
不穏な音がする。そして
それが絶頂に達する時の
シーンは黒沢清作品の
ように何もない空間に影の
陰影を動かし恐怖を
誘うので、どんどん
画面に引き込まれていく。
「ダゲレオタイプの女」は全編フランス語
の作品。どこかジャック・リヴェットの
「美しき諍い女
」を彷彿させる作品ですね。
さっきから、擬音ばかり
なのだが、この大がかりな
ピタゴラスイッチは
できるだけ事前情報を
入れないで観た方がよい
ネタバレ厳禁な作品なので、
是非映画館で11分後の世界を
楽しんでみてください!
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