オフィス 檻の中の群狼(2015)
OFFICE(2015)
監督:ホン・ウォンチャン
出演:コ・アソン,
パク・ソンウン,ペ・ソンウetc
評価:70点
新宿シネマカリテで開催中の
カリコレ2016!
そこで、昨年のカンヌ国際映画祭で
大絶賛だった韓国バイオレント映画
「オフィス 檻の中の群狼」を観てきたぞ!
監督は、「チェイサー」や「哀しき獣」
の脚本家ホン・ウォンチャン。
なんと監督デビュー作だ。
出演者も「スノーピアサー」の
コ・アソン、「新しき世界」の
パク・ソンウン、
「ビューティー・インサイド
」の
ペ・ソンウと
今を代表とするコリアン役者
勢揃い。
さてそのお味は…
「オフィス」あらすじ
とある会社の営業2課。家族殺人事件の容疑者として
キム課長が挙がる。
課長は姿をくらまし、
同僚の噂が飛び交うオフィス。
そんな環境で一人の
インターンシップ生イ・ミレ
は正社員になるべく奮闘するが…
就活×ホラー、この手があったか!
日本では朝井リョウの就活ホラー小説「何者
」の映画版が10月公開を控えているが、
韓国では既に就活×ホラーな作品が
作られていた。
そして、韓国映画お馴染み、
激しいバイオレント映画でもあった。
まず、本作は徹底して韓国社会を
風刺している。
冒頭、サラリーマンがやつれきって
帰宅するシーンから始まり、
立て続けにインターンシップ生が
上野~秋葉原間の山手線を彷彿する
満員電車に煽られ、
出勤する映像が展開される。
そして、真面目だけれども
頼りないインターン生に
徹底的なブラックさを見せつける。
営業2課の業績が悪く、
ミーティングで部長が罵声を
部下に浴びせる。
「休日に何をしていた」と
尋問。部下が「法事です」
「教会に行ってました」
と答えると、
バカヤローとキレる。
もはや社員は数字の
奴隷になっているのだ。
さらに、女性社員は
インターンシップ生に
「まじめに頑張っているところ、
正直ウザいんだよー」
と言われてしまう。
おまけに、別の
インターンシップ生が
登場、彼女のせいで
正社員の道が絶たれようと
する。
そして、尊敬していたキム課長
の失踪…
観客もフラストレーションの
渦に巻き込まれます。
あれっつ全然ホラーじゃないじゃん
と首をかしげる方がいるかも
知れませんが、そこが
旨いところです。
彼女の地獄のようなインターンシップ
とキム課長による同僚殺しが
絶妙な塩梅で交差していき、
インターンシップ編での不穏さが
殺戮シーンの恐怖を増幅させていて
かなりビビります!
」のようなジリジリ
型なのでたちが悪いです(良い意味で)w
衝撃のラストを観逃すな!
本作は日本以上に自殺や
就活問題で荒れている韓国社会を
そのまま描いているので、
よくあるサイコホラーのような
綺麗なエンディングはありません。
むしろ、「えっ」嘘でしょー
の連続で、正直度が過ぎていて
脚本としてはスマートではない。
しかし、それこそが醍醐味で
カンヌ映画祭らしい斬新な
「視点」を魅せてくれる作品でした。
次回は 8/14(日)18:30から
シネマカリテで上映とのこと。
ブンブンの観た回は
満席になったので、
興味ある方は2日前予約で
購入することをオススメします。
コメントを残す