マクナイーマ(1969)
MACUNAIMA(1969)
監督:ジョアキン・ペドロ・デ・アンドラーデ
出演:グランジ・オテロ、
パウロ・ジョゼetc
評価:80点
2016年8月5日から21日の17日間
ブラジル・リオでオリンピックが
開催される。
最近、映画界でも映画祭で
度々ブラジル映画が話題に
なるほど今のブラジルは
イケイケである。
今日はそんなブラジルの
クラシック映画
「マクマイーマ」を
紹介するぞ!
なんと公開当時、
ブラジルだけでなく
ヨーロッパでもヒットし、
フランスでは3年にも
渡るロングランをしたようだ。
果たして…
「マクナイーマ」あらすじ
マリオ・ヂ・アンドラーヂの同名小説の映画化。
アマゾンの密林で自給自足を
して暮らす一家に子どもが生まれた。
しかし、生まれてきたのは
黒人で中年おっさん姿の
赤ん坊!
不吉を意味する「マクマイーマ」
と名付けられたその
子どもは数奇な人生を
歩んでいく…
ブラジル・カウンターカルチャーの走り
1960年代後半~1970年代にかけて、
アメリカだけでなく、
地球全体でカウンターカルチャーの
動きがあった。
若者が大人や社会に反発する運動は、
当然ながら映画でも描かれてきた。
本作は丁度1950年代から始まった、
ブラジル映画界の革命
「シネマ・ノーヴォ」と
結びついてカオスな作品となっている。
まず、読者に訴えたいのが、
本作が「桃太郎」と同じ
プロットだということ。
「マクナイーマ」も
特殊な状況で生まれた子どもが
青年になり、独り立ち。
仲間を連れて、
鬼を倒し宝を村に持ち帰るという
話なのだ。
ただし、本作の主人公
マクナイーマは
正真正銘のクズ男である。
村では、一切働きもせず
ニート生活を送っている。
そんな彼が、洪水で壊滅した
村を見かねて兄弟と旅に出る。
奇跡の泉を浴び、白人に
なった彼は、
都会で女を漁る毎日。
兄弟には面倒ごとを
押しつけ、金と女の
亡者になっていく。
そして、遂に
街の大富豪が持っている
ムイラキタンという
石を盗もうとするのだ…
マクナイーマの愛する
女性は革命家だったり、
街中を歩いているだけで
ゲリラや紛争に
巻き込まれるあたりの
喧噪としたムード。
「不真面目で何が悪い!」
と挑発的な
ストーリーに
当時の勢いを感じる。
そして、劇中では
足の肉、金玉と人間を
食べる描写が多くグロテスクだ。
そんなシュールでグロテスク
不謹慎な世界観なのだが、
クスりと笑えてしまう
ユーモアある作品。
この夏、観てみてはいかがでしょうか?
丁度最近、TSUTAYA渋谷店で
DVDを借りられるように
なったぞ~
おまけ:シネマ・ノーヴォって?
イタリアのネオリアリズモ、フランスのヌーヴェルヴァーグに
触発され1950年代後半から
ブラジルでも起こった映画運動。
ネルソン・ペレイラ・ドス・サントス監督の映画
「リオ40度(1955年)」を始め、
グラウベル・ローシャ、ルイ・ゲーハ
といった巨匠を輩出した。
「シネマ・ノーヴォ」のドキュメンタリー
「Cinema Novo」が公開された。
日本公開は難しそうだが、
興味津々!
コメントを残す