“Ç”「帰ってきたヒトラー」ドナルド・トランプの行動のヤバさが判る!

帰ってきたヒトラー(2015)
Er ist wieder da(2015)

監督:デビッド・ベンド
出演:オリバー・マスッチ,
ファビアン・ブッシュetc

評価:85点

3年前、当時大学1年生
だったブンブンは
ビブリオバトル
に出場するための
本選びに悩んでいた。

そして本屋でネタ探しを
していると、
「帰ってきたヒトラー」という
強烈なタイトルが目にとまった。

ヒトラーが2011/8/30
復活したらというトンデモ
内容。
しかし、読んでみると
ヒトラーの小ネタをここまでかと
ねじ込んできて、
(しっかり画家志望だったネタも
入ってますよ!)
爆笑の渦に…しかし
エンディングへ進むに従い
段々笑えなくなってくる。
不謹慎だからではない。
マジでリアルにありそうな
話で怖かったのだ!

それこそ、オウム真理教による
地下鉄サリン事件も、
麻原彰晃という変な人が
あれまあれまといううちに
信者を増やし大事件を
起こした。
ホラー小説だったのだ。

そんな、「帰ってきたヒトラー」
がなななんと!ドイツで映画化!
しかも「インサイド・ヘッド」


超えるヒットを記録したとのこと!
そんな超問題作ってか、
映画化できるの?
…ちょっと観てみましょう。

「帰ってきたヒトラー」あらすじ

ヒトラーは1945年、塹壕で死亡…
だったのだが、2014年にタイムスリップしてしまう。
半世紀以上経った世界に困惑するヒトラー
だったのだが、得意の演説で
人々を魅了。やがて、売れないテレビマンに
スカウトされてお笑い芸人として
メディアに出るようになる。
しかし、人々は知らなかった。
彼は正真正銘、1945年の世界から
やってきたヒトラーだということに。
さらに、再び単一民族国家を作ろうと
目論んでいたことに…

難題を次々とクリア!

本作が難しい点として2つある。
一つ目は、ヒトラー役者が
ブルーノ・ガンツよりも
ヒトラー感を出さないといけない
ところにある。

ブルーノ・ガンツとは、
「ヒトラー~最期の12日間~」
でヒトラー役を演じた俳優で、
原作でも比較されていた。

あちらは、ヒトラーの哀愁を
演出していたのに対し、
本作ではカリスマ性も出さないと
いけない。
しかし、オリバー・マスッチは
見事なまでのヒトラー感を
演出。徹底的な研究を基に
繰り出される。重々しい感じと
コメディシーンの演技の
使い分けに脱帽でした。

そして二つ目は脚色である。
原作では圧倒的な情報量を
ヒトラーに語らせている為、
大幅な脚色が必要なのだが、
これまた秀逸。

まず、舞台を2011年から2014年に
シフト。まさにEUが移民問題で
もめ、ドイツに大量の移民が
流れ込む事件のある時期だ。

ヒトラーは単一民族国家を
作ろうと奮闘するため、
移民問題に特化した言及を
させる。さらに、市民との
インタビューシーンを
「ボラット」スタイル。

所謂危険な隠し撮りを
交えて行うので
リアリティが一気に上がり、
原作のジェットコースター
級の狂気がガンガンと
伝わってくる。

まさに前半爆笑、
後半恐怖の構造を
しっかりと演出しきった
作品と言えよう。

ドナルド・トランプってまさか!

本作を観ていると、
ふとアメリカ大統領選で
ドナルド・トランプ

グイグイと追い上げてきている
点と似ていて怖くなる。

トランプ氏は不法移民を
追い出すために「万里の長城」を
造ると発言したり、
集会での登場曲として、
ザ・ローリング・ストーンズの
「悪魔を憐れむ歌」
を流したりと
過激なパフォーマンスで有名だ。
しかし、こうも危険にも関わらず、
クリントンと対等に票争いを
繰り広げておりトランプ氏が
アメリカ大統領になる確率は
決して低くはない。

まさに「帰ってきたヒトラー」と
似たような状況がアメリカで
行われているのだ。

アメリカの不況を解決すべく、
移民を排除し、
公共事業を立てる。
あれあれっアメリカ独裁国家に
なるのではと不安がよぎりました。

小ネタ1:
レニ・リーフェンシュタール

本作は多くの小ネタがあるのだが、
今回は2つ紹介しよう。

テレビ局長ベニーニ女史のことを
レニ・リーフェンシュタール
みたいだと語られるシーンがあるが、
これは戦時中、ナチスの右腕として
芸術性の高いプロパガンダ映画を
作った女性監督レニ・リーフェンシュタール
とテレビ局長の立ち位置が
似ているというギャグである。

↑ベルリンオリンピックの様子を
撮った「オリンピア」が凄い!

ヒトラーはメディア戦略を非常に
重視した人物であり、
劇中でもテレビやSNS(これは副産物かな?)
を活用し知名度を高めていきました。
そんな彼の右腕として、
テレビ局長が片棒を担ぐのでした。

小ネタ2:
ブランデンブルク門のコスプレ

ブランデンブルク門

本作でヒトラーは、まず
森鴎外の「舞姫」の舞台でも
有名なベルリンの
ブランデンブルク門
(Brandenburger Tor)

行きます。
そこでは、沢山の人が
コスプレをしているのですが、
あの異様さはホンモノですw
ブンブンも2012年に
行きましたよ!
ダースベイダー

IMG_3127

↑観光客に斬られる
帝国軍。
IMG_3131

↑んっつ!!!○ッキー!

また、ブンブンが行った日には、
フェラーリを見せびらかしに
来る輩もいました。

尚、写真を一緒に撮ると
お金を支払わなくてはならないので、
交渉の上、楽しんでTOGETHER PHOTO
にチャレンジしてみてください!

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