“Ç”おめぇら捜査官失格!「シークレット・アイズ」(「瞳の奥の秘密」リメイク作)

シークレット・アイズ(2015)
Secret in Their Eyes(2015)

シークレットアイズ2

監督:ビリー・レイ
出演:キウェテル・イジョフォー,
ニコール・キッドマン,
ジュリア・ロバーツetc

評価:30点

アカデミー賞外国語映画賞を
受賞したアルゼンチン映画
「瞳の奥の秘密」

それをハリウッドがリメイク!
「それでも夜は明ける」の
キウェテル・イジョフォーに
ニコール・キッドマン、
ジュリア・ロバーツと
豪華キャストで描く本作は
いかに…?

「シークレット・アイズ」あらすじ

2002年に仕事仲間の娘が殺された。
捜査官レイと検事補クレアは
犯人を特定するが、闇に葬られてしまう。
それから13年後、事件は再び動き出す…

捜査官失格!

本作は非常に海外ドラマチックに
撮られている。
フラッシュバックの感じや、
ウィットに富んだギャグ感は
どこか映画から逸脱している
雰囲気がある。

そしてそれが仇になっている
気がする作品である。

まず、捜査官が間抜けなのだ!
「瞳の奥の秘密」では、
25年もの罪と再び正面から
向き合う苦悩が描かれていた。
しかし本作では、
捜査官は自分勝手に犯人を
特定し、報復を始める。

例えば、野球場で容疑者を
追いかける際、
トイレを蹴り破るシーンが
あるのだが、おいおいおい!
一般人だって入っているんだぞ!

そしてさらにお粗末さんなことに、
容疑者が2階から飛び降りたので、
捜査官も同じく飛び降りると
負傷するというこの手の話に
一番あってはならないシーンが
入っているのだ。

いやいや、コメディにしなくて良いでしょう。

このように観れば観る程、
捜査官に人生の厚みを感じない。
まるで中学生が、盗難事件の
犯人を捜すような薄っぺらい
人生しか描かれてなかった。

せめて、本作はアメリカ同時多発テロ
と関連させようとしているのだから、
登場人物の「差別意識」
掘り下げるべきだと考える。

野球場を使いこなせていない

もう一つ、元ネタにもあった
野球場のシーンに文句がある。

それは、野球場という設定を
全く使いこなせていないのだ!
野球場のようなスタジアムの
最大の特徴は、不特定多数の
人が集まっているところにある。

黒澤明の「野良犬」では、
大勢の観客の中から、
バレずに犯人を特定しようと
放送を使ったスリルを用意
していた。

また、デ・パルマの
「スネーク・アイズ」
冒頭でスタジアムを
13分間も長回しで
魅せることで緊張感を
表現していた。

本作は、野球場を
単なる場所として
しか使っていないのだ!

だから、別に野球場である
必要もない。
なぜ、わざわざ野球場に
行かねばならないのかが
しっかり説明されていないのだ。

うーん、時間差捜査もので
「64-ロクヨン-」を観た
あとだけに苦しい作品でした。

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