“Ç”あの山崎貴の会心の一撃作「ALWAYS 三丁目の夕日」

ALWAYS 三丁目の夕日

ALWAYS 三丁目の夕日

監督:山崎貴
出演:吉岡秀隆、堤真一、薬師丸ひろ子etc

評価:80点

映画人なら結構ムカつく方も多い、
「感動のラーメン二郎」映画を
量産する監督・山崎貴。
クレヨンしんちゃんへの愛なき
「BALLADE 名もなき恋のうた」
「モンスターズ・インク」のパクリ映画
「friends もののけ島のナキ」
そして気持ち悪いぐらい「ドラ泣き」を
流行らせようとし、感動を押し売りした
「STAND BY ME ドラえもん」etc

確かに「永遠の0」のようなグッド作品も
あるがライムスター宇田多丸等
アンチ派映画人は存在する。

しかし、今から早10年前、
彼が出世するきっかけとなった
「ALWAYS 三丁目の夕日」は
素晴らしい作品でしたよ~

不可能を可能にした


西岸良平原作の「三丁目の夕日」。
観て分かるとおり、キャラクターがデフォルメ
されている。原作の質感を維持したキャスティング、
描写のセッティングは非常に難しい。
また、この作品は短編がいくつも
折り重なって出来ているため、
使う短編の選出にまで配慮しなければいけない。

しかし、3作品目にして、
しかも映画好きなら分かるとおり、
B級クオリティのCGばかり作る
あの山崎貴が素晴らしいCG技術と
後に「キサラギ」「探偵はBARにいる」と
イカした脚本を手がける古沢良太と
タッグを組んだ絶妙な脚本捌きで、
見事原作のノスタルジーな質感まで
再現していた!!!!

まず、キャストが凄い!
結構、古い時代の人々を描くには
素人を使って、観客に大物俳優が
演じているというイメージを取っ払う
手法が使われる。せいぜい大御所俳優は
数名だ。

しかし、観てください!
堤真一、小雪、堀北真希、薬師丸ひろ子、
もたいまさこ、ピエール瀧、小日向文世、
温水洋一etc脇役まで錚々たるメンバーだ。
なんだけれど、今観ても違和感がない。
演技をコントロールして、
昭和のイメージを焼き付けるのに成功している。

また、今にも昭和の香りが漂いそうな
映像美は圧巻。「進撃の巨人」とか
「るろうに剣心」ではセットが死んでいた。
そこで人が生活しているように見えなかった。
それに対し「三丁目の夕日」では
人々の生活が投影されている。

グランドホテルスタイルとしても、
あまたの人物が133分の刹那刹那を
縫って再登場、しかも意外な形で
登場するから伏線回収が気持ちいい。

まあ、確かに1958年においての
クリスマスの描写は甘く感じるところはある。
感動シーンを何度も描くから、映画好きの
観客は後半興ざめしてしまう。

しかしながら、
冒頭の東宝ロゴから徹底して
職人芸を魅せた山崎貴には
スタンディングオベーションである。

そんな彼の次回作は、今や問題児となって
しまった百田尚樹の「海賊とよばれた男」
主演は岡田准一とのこと。

グッドな作品になることを祈る。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です