“Ç”【ジャック・リヴェット追悼】「アウトワン」#2 バルザックと障がい

アウトワン(1971)
OUT1(1971)

アウトワン3

監督:ジャック・リヴェット
出演:ジャン=ピエール・レオー,
ジュリエット・ベルトetc

評価:?点(最後まで観たときに
点数をつけます)

ジャック・リヴェットの
12時間40分映画
「アウトワン」
耐久チャレンジ
中のブンブンです。

第3話DE FRÉDÉRIQUE À SARAH
(フレデリックからサラまで)
を観たので感想を書きます。

「アウトワン」第3話感想

↑あまりの長さに一般人ドン引きする映像

今回は、前回「聴覚障がい者」
「言語障がい者」
として、カフェで
くつろいでいる人から金を巻き上げた
青年が学者に会うところが最大の
見所になっている。

「聴覚障がい者」という設定なのに、
文学学者のところに行く。
そうすると、学者は、
「バルザック文学における社会性」
を長々と語り始めている。

本当に、相手の話を理解しているのか
否かが分からない青年の
表情。そして、情熱的にバルザックを
語る学者との間に生まれる妙な
笑いに心揺れ動かされる。

ジム・ジャームッシュの
「コーヒー・アンド・シガレッツ」

ような会話だけで作り出す
ユーモアがこの作品にもあった。

カフェでの会話

第3話は「会話」によるユーモア
を徹底追求した作品である。

バルザックのエピソードの他に、
ブンブンはカフェでのお話に
興味惹かれた。

カフェでマダムがミルクを注文すると、
「スコッチも頼めよ」とおっさんがダル
絡み。おっさんと相席する羽目になる。
マダムが美しいフランス語で、
おっさんの手相を見始める。
そして、おっさんが寝静まった
ところでトンズラする。

演技であるのは間違いないのだが、
そこらへんのカフェで撮ったのか、
カフェの音が生きている。

生きている世界で演じるので、
現実世界に一歩進んだ
演技が観られる。

ジャック・リヴェットの
「映画」と「現実」との
狭間における着眼点の
鋭さにはしびれたぞ!

さて、4話ではどういった
見解を魅せるのか
楽しみである。

関連項目

「アウトワン」#1

「アウトワン」#2

「アウトワン」#3

「アウトワン」#4

「アウトワン」#最終章

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