スポットライト 世紀のスクープ
SPOTLIGHT
監督:トム・マッカーシー
出演:マーク・ラファロ、
マイケル・キートン、
レイチェル・マクアダムスetc
評価:80点
先日アカデミー賞作品賞を
「レヴェナント」という強敵を
倒し受賞した作品「スポットライト」。
昨日公開だったので観てきました。
正直、就活帰りに観るのは
キツイかな?と思ったのだが、
それは取り越し苦労でした。
「スポットライト」あらすじ
2002年にボストン・グローブ社の小さな部門が、明らかにしたローマカトリック
教会最大のスキャンダルを
基にしたドラマ。
あるコラム欄に掲載された、
神父レイプ事件。
それに目を付けた、
ジャーナリスト達が
真実を追究すると、
ボストンだけではなく
世界中の教会が
関係していることが分かり…
良い意味で時代遅れ
誰かが「良い意味で時代遅れ」と
言っていたが、まさにその通り。
「大統領の陰謀」やシドニー・ルメット
の作品のような、今映画界が
忘れかけようとしている
重厚な作りを見事に再現。
今の映画のようなテンポの
良さはないが、その分
がっつりとスキャンダルが
暴かれる過程を堪能できる
作品となっている。
スリル満点!
「ジャーナリストって地味?」
いやいやそんなことありません。
本作は脚本賞を獲ったのも、
納得。ジャーナリストの魅力が
伝わってきます。
ある小さなコラムから、
「なんでこの記事掘り下げないんだろう?」
という疑問を抱く。
そして、調べるものの、
教会裁判を担当した
弁護士は「秘密厳守」だから
と語らない。
どうやって口を割らせるか?
愚直に何度も通ってみたり、
脅し文句を言ったり…
決して暴力ではなく
スマートな発想力と
コミュ力で乗り切ってみせる。
ようやく相手が口を割り、
味方にまでなったときの
「うおぉおおおお!」
という喜び!
観ていてどんどん引き込まれます。
なんたって、相手が数世紀にわたり
世界を制圧してきた
ローマカトリック教会。
住民はおろか、警察や弁護士、
さらには新聞局まで
買収されてたりする四面楚歌かで
こっそりとバレずに調査していく
スリル。そしてスキャンダルを
暴いたときのカタルシスは
相当なもんですよ!
特に、最後の方の絶望からの
切り返しが本当に涙ものでした。
音楽が凄い!
今回、本作の音楽を担当したハワード・ショアのスコアが
物語を盛り上げるのに大きく
貢献している。
「ウルフ・オブ・ウォールストリート」や
「マップ・トゥ・ザ・スターズ」などの
音楽を手がけている彼は、
今回「重さ」を意識した音楽作りを
している。ジャーナリストの
暗中模索し、ようやく光を見つける、
そのカタルシスが音楽だけでも
見事に表現されていて
これが素晴らしかった。
マーク・ラファロ、
マイケル・キートンに注目
「スポットライト」では
マーク・ラファロと
マイケル・キートンの
演技にスポットライトが当たっている。
マーク・ラファロは
せっかちな若手ジャーナリスト役。
どんな癖のある人物でも
愚直に愚直を重ね情報を
聞き出す熱い男だ。
それに対し、冷静沈着、
常に「まだ大きい何かが眠っている」
と批判的に考えていく
マイケル・キートン扮する
リーダー格との対比、
対立、苦悩が演出もさながら
上手いです。
互いに、一見すると
見逃してしまいそうだが
懇親会での手つき一つ一つ
や情報を聞き出す際の
話し方に個性を出しており、
暴力ではない「アベンジャーズ」
感を出していた!
つまりはだな!
実話ベースだが超絶面白い!
アカデミー賞を獲るのも納得な
作品だ!
是非とも映画館でウォッチ
してみてください!
P.S.問題神父は何してたの?
本作で問題を起こした神父は、示談金で相手を制圧するか、
教会の部署異動でなんとかしていた。
その問題神父は左遷先でどうしてたかが
分かる映画がある。
昨年「ラテン・ビート映画祭」で
上映された「ザ・クラブ
」という作品だ。
左遷神父達が、軟禁状態に近い環境で
生活する様子がよく分かる。
日本劇場未公開だが、
これと併せて観ることをオススメする。
・「ザ・クラブ」DVD詳細
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