帰ってきたヒトラー(2012)
Er ist wieder da(2012)
著者:ティムール・ヴェルメシュ
2012年、ドイツを騒がせた小説が爆誕する!
その名も「帰ってきたヒトラー」
結構、ドイツ人はヒトラーや
ナチスネタでコメディを作るのだが、
本作はマジでヤバい話だ!
なんたって、
1945/4/30に亡くなったはずの
ヒトラーが現代に復活し、
再びドイツを独裁国家にする
までを描いた話だからだ。
「アイアン・スカイ」なんて比じゃ
ないぜww
なんと映画化!日本では6月に
TOHOシネマズシャンテ他にて
公開とのこと。
本作は是非とも原作から読んで
頂きたいので今回取り上げてみたぞ!
「帰ってきたヒトラー」あらすじ
1945年に亡くなったはずのヒトラーは現代にタイムスリップ。
町中からは軍服姿の
ヒトラーを好奇の目で見る。
しかし、あまりのキャラの徹底さに
市民はコメディアンと勘違いし、
こともあろうかヒトラーは芸人
デビューする。そして、彼は決心する
のだった。
また独裁国家を作ろうと…
爆笑!でも終盤笑えなくなるw
本作の原作を読んで驚いたことは、
ヒトラーが再びドイツを制圧する
過程が異常なまでにリアルなのだ。
まず、ヒトラーが現代に目覚めるところ
から始まる。半世紀以上経った現代に戸惑い
ながらも雑誌の見出しを、
プロパガンダの手法として素晴らしい。
ウィキペディアについても
情報を掌握できると独自の
解釈でどんどん飲み込んでいく。
その勢いは、現代に復活した
キャプテン・アメリカ以上のものだ!
この前半のギャグの猛攻が
本当に凄まじく、電車で
読むのはオススメしない程だw
一番凄いのは、予告編にもあった
メールアドレスを作る場面。
ヒトラーがメールアドレス
にadolf.hitlerと打つと
「そのアドレスは既に使われています」
と言われ一時的な保護者役と
もめるというシーンだ。
ここまで、筆者は想像を膨らませる
芸の細かさには脱帽である。
しかし、爆笑しながら読み進めると
ヒトラーが得意の話術で
どんどん政界へと進出
していくのだ。
もちろん、ドイツ市民の中からは
「不謹慎だ」と怒りの声も
出てくる。しかし、一切
屈せず論破していくので
ここまでくると手に負えなくなってくる。
このブラックな感じが
またトンデモナイ。
上下二巻構成だが、
あっという間に読めて、
ラストに背筋の凍る作品でした。
余談:映画公開が待ちきれない君へ
そんな「帰ってきたヒトラー」、楽しみすぎて待てないというあなたに
オススメな映画を教えます。
ピーター・セラーズ主演の「チャンス」
という映画です。
知的障がい者の庭師が、
雇い主が亡くなったことで社会に
追い出されるのだが、
マスコミに持ちあげられて
大統領になってしまうまでを
描いた話だ。
どちらも、「マスコミ」や
「社会」によってねじ曲げられた
モノを辛辣に描いた作品ですぞ~
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