“Ç”「Mr.ホームズ 名探偵最後の事件」じいじの最後の尽力 

Mr.ホームズ 名探偵最後の事件(2015)
Mr.Holmes(2015)

Mr.ホームズ

監督:ビル・コンドン
出演:イアン・マッケラン、
真田広之etc

評価:40点

この前、ベネディクト・カンバーバッチ
さんのホームズ映画が公開された
と思いきや、今度は
イアン・マッケランが老ホームズ
を演じた作品が公開されている
ではないか。

シャーロック・ホームズといえば、
ロバート・ダウニーJr.
チャラいイメージが
強いが果たして…

「Mr.ホームズ」あらすじ

シャーロック・ホームズ93歳。
30年前にある事件で失態を犯し
隠居暮らしをしていたのだが、
自分の命が残りわずかだと
悟り同居しているロジャー少年を
助手に携え、記憶をたぐり寄せる…

斬新なシャーロック・ホームズ像

本作はてっきりミステリーだと
思っていたのだが、観ていくと
どうやら違う話だと分かる。
「インセプション」のような
過去に囚われた男が
忌まわしき過去と
決別しようと奮闘する思考ドラマである。

そしてホームズの設定が93歳って
こともあってか深みのある演出が
多数施されている。
例えば、本作は健康に良いと言われている
サンショウを手に入れるための
日本旅行からホームズが帰ってきた
という設定になっている。

その日本の描写がどうも
「死」を連想させる。
原爆ドームの前でイアン・マッケランと
真田広之が「おっサンショウだ!」
と言うところの霊界感が
なかなか不気味で面白い。

さて、豊臣秀吉の
名言に「何事もつくづくと思い出
すべきではない」とあるように
キツイ思い出を掘り返すべき
ではないのに、パンドラの箱を
開けてしまったホームズ。

ミステリーと言うよりも、
ただただホームズの思考を
映し出しているような
描き方をしているので、
半ば後出しじゃんけん感が
否めない。

どうやら本作は天国と地獄
狭間でわらを掴むように
もがく一人の人間としての
ホームズを描き出したらしい。

事件当時は、
事件を解決できると思って
生き生きとしていたので「天国」
日本パートは
虚無しか残っていない「地獄」
その狭間で自分の人生はどうだったのか
を反芻し、
新しい探偵の血を継ぐ
ロジャー少年に
自らの魂を伝承しようとする
儀式のような話と捉える
ことができる。

「シャーロック・ホームズ」という
誰しもが知っているキャラクターを
ここまで重厚に斬新なアレンジを
加えたことは評価に値するが、
すみません、ブンブンちょっと
ノれなかったんだよね~

もう少し年を取らないと分からないもの
が本作にありました。

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