“Ç”「下町の太陽」日本映画監督協会劇場で山田洋次に訊く撮影秘話!

下町の太陽(1961)

下町の太陽

監督:山田洋次
出演:倍賞千恵子、勝呂誉

評価:80点

雷5656会館

先日、浅草の花やしき裏
にある雷5656会館
日本映画監督協会の
上映会がありました。
映画友達に誘われ、
山田洋次監督2作目
「下町の太陽」を観てきました!

「下町の太陽」あらすじ

倍賞千恵子の同名歌謡曲の
ヒットに伴い企画された松竹映画
石けん工場で働くとある女工は、
同じ工場で働く男と付き合っている。
その男は正社員になる小さな夢を
達成するべく日々邁進している。
そんなある日、
女工はチャラ男にナンパされ…

衝撃!半世紀経てど労働環境変わらず

本作は、曳舟周辺にあった資生堂の
石けん工場を舞台にしており、
貧しいながらも楽しく人間味溢れる
人々の交流が描かれているのだが、
ビックリしたことがある。

それは、非正規雇用問題である。
本作で明らかになるのが、
人件費を抑える為に多くの社員が
非正規雇用だということ。
そして厳しい競争を勝ち抜いて
ようやく正社員になれる構造だということだ。

バブル崩壊後やサブプライムローン問題
頃よりかは改善されているが、
未だに日本には非正規雇用が幅を
利かせている現状がある。

観ていると、半世紀経っても変わらぬ
下層の労働者の苦しみがにじみ出てきて
泣けてきます。

これは松竹に製作を任された
山田洋次監督の反抗心であり、
歌謡曲から誕生した作品にも
関わらず倍賞千恵子を
全然歌わせないなど
結構とんがった作りをしています。

でも、笑えるんです!

それじゃあ、シリアスドラマなの?
と思うかもしれないが、本作は
流石山田洋次娯楽作。
思う存分笑えるのだ!

生意気息子の、一癖二癖ある
屁理屈。
最強、オトボケばあちゃん&
じいちゃんギャグ
によるジャブを多めに挟むので、
適度な軽さがあります。
小津安二郎や新藤兼人もそうだが、
ギャグと本テーマのサンドウィッチが
上手い!特に今回の「下町の太陽」は
松竹映画の骨となる、明るい人間ドラマ
をしっかり引き継いだ上で、
邪道を繰り出しているから本当に
すばらしい作品でした。

上映終了後、
山田洋次監督と倍賞千恵子による
トークショーがありまして、
なんと倍賞千恵子が主題歌を
歌ってくれ、会場は感動の渦に
包まれました!

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