PARTICLE FEVER(2014)
監督:マーク・レヴィンソン
出演:ニーマ・アルカニ=ハメド、マーティン・アレクサetc
評価:70点
ドキュメンタリー映画、あなたはよく観ますか?
どうしても「勉強」「勉強」しているイメージが強く、
流石の映画好きのブンブンですら年に数えるほど
しか観ていない。それ故か、TSUTAYA等に行っても
目立たないところにしかドキュメンタリーが
置いていない。
しかしながら、NETFLIXに挙がっている
日本未公開ドキュメンタリーは本当に
面白い。昨年紹介した「スーパー・ハイ・ミー
」
や「フェド・アップ
」など、
お堅いイメージの強いドキュメンタリーに
ユーモラスで斬新なアプローチ、
しかし社会問題や歴史の謎に真剣に切り込む
作品がNETFLIXで大量に挙がっている。
今回紹介するのは、LHC加速器稼働の時期から、
ATLAS実験とCMS実験でヒッグス粒子を発見するに至る
5年に及ぶ物理学者の奮闘に迫った
「PARTICLE FEVER(微粒子の熱)」だ。
ヒッグス粒子って?
ヒッグス粒子とは、モノを構成する一番小さな粒、素粒子の一つ。何故、モノに重さがあるのかといった謎を解明する
希望の光であり、物理学の中で存在を確実視していたものの、
なかなか発見できず「神の粒子」とも呼ばれた。
2007年頃から、巨大加速装置を使った実験で試行錯誤を繰り返し、
2012年ATLAS実験とCMS実験を行う。
そして分析の結果、2013年3月に欧州合同原子核研究機構(CERN)
がヒッグス粒子の発見を正式発表、
10月にヒッグス粒子の存在を予想した
イギリスのピーター・ヒッグスと
ベルギーのフランソワ・アングレールが
ノーベル物理学賞を受賞。
宇宙の神秘解明に突破口を開いた。
プロが大勢集まっても発見困難「ヒッグス粒子」
本作では、一般人が立ちはいることのできない巨大な加速装置の建設現場から見ることができる。
全て特注品につき、現場スタッフが手作業で
チェックや部品結合をする。一歩でも間違えたら、
最悪な被害が予想されるぐらい慎重を要する。
どんなにチェックしても、ガス漏れが発生したりして
実験が中断になる。アメリカでは共和党が設備投資を
渋り中止になり、世間庶民からは「ヒッグス粒子見つけて
どうなるの?」と疑問視される。失敗し続けたら、
どんどん経費が削減されて宇宙の神秘にたどり
着けなくなる。
現場の人間の何に使えるのかも、発見して
どうなるのかも分からないものに情熱を
傾ける様子の熱量が凄まじく、
何を言っているのか分かりにくい
専門的話が心地よく聞こえてくる。
高校の時の物理や化学って、
何言っているのか分からなくて
眠くなりますよね~w
しかし、本作はハリウッドSF超大作か
と思う程の巨大マシーンの前でロマンチックに、
男子だけでなくイケイケ理系女子
も「夢」を語る。その光景に圧倒され、
困難あれどヒッグス粒子が発見された時の
現場のカタルシスを感じ取ることのできる
全く眠気を感じさせないお目々ギンギンな
作品でした。
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