ブンブン映画ベストテン2015家洋画
今年はあんまり洋画の旧作を
観られなかったと感じている。
しかしながら、聴講している
映画ゼミで知った作品に
傑作が多くあった。
特に収穫だったのは、
映画ゼミの学生が紹介した
無名監督のある映画が凄かったぞ!
第1位:仮面/ペルソナ
監督:イングマール・ベルイマン出演:リヴ・ウルマン、ビビ・アンデショーン
製作年:1966
アメリカではカルト映画扱いされている、
スウェーデンの巨匠イングマール・ベルイマン
の一本。日本では何故か今年までDVD化されて
いないようで幻の作品として
Amazonで数万円した作品を遂に観ました。
トラウマになりそうな程怖いモンタージュに、
語る者と黙る者しかいない究極のミニマリズム。
でも、タイトル通り人格とは何かに迫った内容で
観終わった後に誰かと議論したくなる内容。
この異様な感じは滅多に観られない貴重な作品でした。
ちなみに、デヴィッド・リンチの「マルホランド・ドライブ」
のプロットは本作から来ていることが意外と
知られていなかったりする。
第2位:炎628
監督:エレム・クリモフ声の出演:リューボミラス・ラウセビチャス
製作年:1985
実写版「進撃の巨人」でもオマージュになった、
トラウマ戦争映画。
「プライベート・ライアン」や「父親たちの星条旗」等
リアリズム路線の戦争映画は少なくないが、
本作を観たらそれすら作り物感が強いと感じてしまう。
へっぽこ少年兵が意気揚々と戦地に行って、
地獄を味わうダンテの「神曲」真っ青な程の
血と泥の世界観に唖然するであろう。
ブンブンのベストワン戦争映画となりました。
第3位:鬼が来た!
監督:チアン・ウェン出演:チアン・ウェン、香川照之
製作年:2000
半沢直樹でも有名であるが、
香川照之は全身全霊で演じる怪演が上手い。
その真骨頂はこの中国映画にあった。
中国の民家に突如転がり込んだ
日本軍捕虜。「殺せ臆病者!」と
キレ出す、終始まくし立てる暴言。
この狂気が時として笑いと化す。
そして衝撃的なラストへと疾走するのだった…
ちなみに、本作を観ると耳から軍艦マーチが
ずっと流れていることでしょう…
第4位:パラダイス:愛
監督:ウルリヒ・ザイドル出演:マルガレーテ・ティーゼル、ピーター・カズング
製作年:2012
ミヒャエル・ハネケの後継者と噂される
オーストリアのゲテモノ監督ウルリヒ・ザイドルの
陽気で恐ろしい作品。
南国リゾートに来たおばちゃんが、現地人との
情事に嵌まり込み破滅していく…
予告編だとパラダイス・シリーズの中で
一番明るい作品だと思わせられるがそれは嘘だ。
陽気な楽園の裏側を魅せた時、観客は
言葉を失う。そして自分たちの海外旅行が
どういったものなのかを突きつけられるであろう。
第5位:プレイタイム
監督:ジャック・タチ出演:ジャック・タチ
製作年:1967
フランスの巨匠ジャック・タチの近代文明批判
の真髄ここにあり!
無機質な街に迷い込んだユロ氏が彷徨う。
シンプルに見えて複雑怪奇、
退廃すら感じるということをジャック・タチが
持てる資金を全力でつぎ込み演出。
後にも先にもないユニークな作風が
ブンブンを虜にした。
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