“Ç”ブンブン映画ランキング2015家邦画部門、1位は邦画なのに日本未公開のあの作品

第6位:お茶漬けの味

監督:小津安二郎
出演:左分利信、笠智衆
製作年:1952

小津安二郎の十八番である、
ユーモラスな人間ドラマ。
階級が違い、文化の違いから
対立し破局寸前という絶望的
状態なのだが、どうものほほんと
している。そして、古き良き日本の
ゆったりとした時間が心地よく
時を刻む。そして注目すべき点は、
笠智衆の使い方。いつもは、
畳部屋のど真ん中にあぐらをかいている
おじさん役の多い彼が、なんとパチンコ屋の
店員をしているぞ!

第7位:青春残酷物語

監督:大島渚
出演:桑野みゆき、川津祐介、久我美子
製作年:1960

ドSなDV男と一緒に「狼よさらば」のような
方法でオヤジ狩りをし、金を得るが
ヤクザに目をつけられたり、
噂が立ち窮地に陥っていく。
「松竹ヌーヴェルヴァーグ」の原点と
言われる作品なのも納得、
映像こそ荒々しい日本映画の
感触はあれどストーリーや情事の
様子がフレンチ。酷い男が
段々魅力的に見えてしまい、
ラストに切なさが残る作品だ。

第8位:幕が上がる

監督:本広克行
出演:ももいろクローバーZ
製作年:2015

「踊る大捜査線」の本広克行にこんな才能があったのか!
ももいろクローバーZって演技上手いじゃんと
驚きの連続な作品。今となっては古くさく感じる、
或いは狙っている感が強くなりすぎてしまう
白飛び強い絵面をテクニカルに使いこなし、
ピュアな青春、部活に明け暮れる少女達の
血と汗の世界を見事に創り上げた。
それにしてももう一度言うが、
ももクロの演技はマジで凄い。
特に、百田夏菜子の「先輩としてどうあるべきか」
「部長業務まるか」といった不安を画面全体から漂わせる
程のオーラ。アイドルのオーラではなく、
フツーの女子高生のオーラでそれを魅せていることが素晴らしい。

第9位:まあだだよ

監督:黒澤明
出演:松村達雄、香川京子、所ジョージ
製作年:1993

近年「バトルシップ」や
「アベンジャーズ:エイジ・オブ・ウルトロン」
等、飲み会が重要な映画が沢山作られているが、
日本の巨匠が究極の飲み会映画を作ったのを
ご存じだろうか?「まあだだよ」、黒澤明の遺作である。
なんと134分のうち7割を飲み会シーンで占めており、
残り3割申し訳なさげに猫探しの物語を入れている
作品だ。しかし、この飲み会しかしていないような
作品が非常に良く出来ている。モデルになった内田百けん
のことを知らなくても、楽しめる飲み会なのだ。
一人一人がエピソードを語り始める。ある者は
路線の駅名を永遠と語り始める、所ジョージは
陽気に音頭を取る。別に泣かせる要素はない、
もはやギャグな作品なのに終盤になってくると..
うっ、うっ泣けてくるのだ!

第10位:死の棘

監督:小栗康平
出演:松坂慶子、岸部一徳
製作年:1990

人間、一番辛いことは、
罪を謝っても許してくれないことだ。
本作は、妻に不倫がバレたが為に
地獄旅をする羽目となった男の話だ。
不倫がバレたので全力で妻に謝るが、
微分も許してはくれず、それどころか
妻は精神崩壊を始め、愛人を殺そう
とさえする。「FOUJITA」でも魅せた
小栗康生の冷めたショットが恐怖を増幅させる。
男子必見の作品である。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です