劇場版MOZU
監督:羽住英一郎
出演:西島秀俊、香川照之、ビートたけしetc
評価:40点
近年の日本映画の風潮として、
ドラマの「続きは映画館で」ものが
多い。恐らく、確実に売れる商品を
映画化しよう、売れる商品に金を
つぎ込もうという魂胆だと思う。
そして、もう一つのジンクスとして
日本映画は海外ロケをすると
凄惨な映画になる特徴がある。
ただスタッフが観光をエンジョイ
しているだけやんってものが大抵そうだ。
さて、ドラマの映画化に海外ロケ、
予告編こそ面白そうだが危険な
香りぷんぷんする「劇場版MOZU」
観てきましたぞ~
ところでMOZUって?
「MOZU」とは、逢坂剛のハードボイルド小説「百舌」シリーズ原作のドラマである。
妻を殺された公安警察官の倉木は宿敵ダルマを追っていた
ところ、実は警察内部まで彼の手が及んでおり
四面楚歌だったことに気がつく。
映画版では、ダルマへの鍵を握る障がい者が
誘拐されたことから物語は始まり、
ついにダルマと対面する…
日本もここまでがんばれる「MOZU」のアクション
日本のアクション映画ってハリウッドやジャッキー・チェンのアクションに比べるとB級でしょぼい感じを受ける。
所詮海外ロケ(フィリピン)しても、対したアクションは期待できない
だろうと思っていたら大間違い。
明らかに「MOZU」の主人公・倉木の立ち振る舞いは
ダニエル・クレイグ版ジェームズ・ボンド
を意識しているのだが
以外にも引けを取っていないのだ!
ふと「SP」を思い出す、久しぶりのクールな邦画アクションがそこに
あった。架空の国に乗り込み、アジアンマフィアを格闘で
倒す西島秀俊はマジで格好いい。
炎上こそしたが、やたらとふかすタバコも
様になっています。
しかも、R指定ではないのだが韓国ヴァイオレンス映画を
思わせる程グロテスク。画面の外にまで血なまぐさい匂いが
漂ってきそうである。
露骨な人間串刺しもあり、本当にPG12?と
思える内容で良い意味でアクションは満足でした。
しかしエンディングが酷い
ブンブンはドラマ未見な為、
ダメージは少ないが、
ドラマ版を観て「黒幕は誰だ?」と考えていた
人々からは怒りがこみ上げてくるだろう。
確かに、予告編の時点でダルマ=ビートたけし
ってバレちゃっているのはどうかしていると
思うが、あの後味が悪い。
いや、バッドエンディングなら別にいいのだが、
「えっつ、どっち?」と思ってしまう
中途半端な謎エンディングが用意されている。
あれは流石に酷い。
「アンフェア」シリーズ
のように
続編を作りまくって焦らす気満々である。
そのエンディングがあるせいで、
本作の粗がフラッシュバックし始める。
明らかに実際にあったらアウト過ぎる
顔出しテロ。
予算の関係か、カットつなぎだけで魅せる
スピーディーなアクションによる
邦画の限界。
結局、「劇場版 MOZU」は何をしたかったのだろう?
いささか疑問になってしまった。
あのエンディングがなければ、フツーに
面白いのだがな…ビックリ消化不良映画でした。
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