悪党に粛清を(THE SALVATION)
監督:クリスチャン・レヴリング
出演:マッツ・ミケルセン、エヴァ・グリーンetc
評価:70点
最近デンマークでは西部劇を作るのが流行っているらしい。
昨年、当ブログでも紹介したデンマーク人監督
スサンネ・ビアの「SERENA」
も西部劇であった。
そんなデニッシュ・ウェスタンブームの
火付け役になるであろう、
今作は制作国がデンマークの純正
デニッシュ・ウエスタン(「SERENA」はアメリカ映画)だ!
あらすじ
1970年アメリカ、
とある兄弟はアメリカに渡り事業を展開していた。
軌道に乗ってきたため、兄ジョンは妻子を
自分の住む町へ連れて行こうとする。
しかし、移動中の馬車で乗り合わせた
男たちの暴力で妻子が殺されてしまう。
ジョンはその男たちを殺すのだが、
実はジョンの町を支配するデラルー大佐
の弟で…
西部劇史上初!?デンマーク語を話す西部劇
↑新宿武蔵野館ではこんな装飾がされてたぞ~
西部劇と聞くと、英語や
ネイティブ・アメリカンの言語、
あるいはスペイン語、
マカロニ・ウエスタンとなると
イタリア語で話しているイメージがある。
この作品では、なんとデンマーク語が聞けます!
確かに、アメリカって移民国家で
ヨーロッパから流れ着いた人によって
国家形成された国だから、
デンマークから移民が来てもおかしくないのだが、
西部劇で「ゴディ」とか「タック」とか
聞くと違和感ありまくりw
でも、デンマーク語を勉強したことのある
ブンブンは結構会話が聞き取れてうれしかったぞ!
ミケルセンの冴えない感がすげー
↑ミケルセンのサインありけり
最近、TVシリーズ「ハンニバル」でレクター役を
演じたためか、想像以上に知名度が高く、
女子の人気が高いマッツ・ミケルセン。
そんなミケルセン、「偽りなき者」同様
冴えない男を演じるのがめちゃくちゃ上手い。
かっこいいのだが、どこか二枚目(褒め言葉)で
詰めが甘い前半の攻防戦。
彼からB級オーラが出ているから、
観客は油断できない。
ミケルセンを応援したくなるぞ!
そんなミケルセンが後半、野獣となる…
これがまたかっこいい♡
デンマーク産「真昼の決闘」
この作品は、フレッド・ジンネマンの
傑作西部劇「真昼の決闘」の
影響を受けている。
普通、悪徳代官を退治するためにヒーローの
もとに町の人が集まり、団結して敵を
倒すのが映画の定石ではあるが、
この作品では町人が腰抜けばかりで、
皆町から逃げ出したり、敵側について
ヒーローが四面楚歌、孤独な状態で
戦わなくてはならない。
「真昼の決闘」も、同様のプロットで
誰もヒーローを守ってくれない。
孤独な状態で、人っ子一人通りに顔を
出さない閑散とした場所で戦うという話だ。
新たなデンマークの巨匠誕生
デンマーク映画は、毎回暴力的な作品を
生み出し続けている。どんな監督であろうとも。
今回、この作品を撮ったクリスチャン・レヴリング
も、ものすごく暴力的でシュールな殺戮を
展開しており期待を裏切らない強烈な作品に
なっていた。
デビュー作「キング・イズ・アライヴ」で
カンヌ映画祭「ある視点部門」にいきなり
正式出品を果たしたクリスチャン・レヴリング。
今回、撮影と画面構成が奇をてらいすぎて、
よく分からないモノがいくつかあったが、
独特な雰囲気を演出していた為、
今後、期待できる監督ですぞ!
↑入場者プレゼントでシールもらった。
そんな「悪党に粛清を」は新宿武蔵野館他
で上映中です(*^_^*)
・「悪党に粛清を」予告編
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