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【「エルネスト」公開記念】「モーターサイクル・ダイヤリーズ」から観るチェ・ゲバラ

【「エルネスト」公開記念】「モーターサイクル・ダイヤリーズ」から観るチェ・ゲバラ

モーターサイクル・ダイヤリーズ(2004)
Diarios de motocicleta(2004)


監督:ウォルター・サレス
出演:ガエル・ガルシア・ベルナル,
ロドリゴ・デ・ラ・セルナetc

評価:80点

10/6にチェ・ゲバラと共にボリビアで戦った日系人フレディ前村を扱った伝記映画「エルネスト」が公開される。監督は「闇の子供たち」「団地」の阪本順治で、主演はオダギリジョー、そしてキューバ全面協力の下作られた作品とのことなので期待が高まっている。そして、何よりもチェ・ゲバラといえば、「チェ・ブンブン」というペンネームが爆誕するきっかけとなった偉人でもあります。高校3年生の時に、スティーヴン・ソダーバーグが撮った「チェ 28歳の革命」「チェ 39歳 別れの手紙」と今回紹介する「モーターサイクル・ダイヤリーズ」を観て、あまりに感動し、1学期の社会科の5分プレゼンでも紹介した(秋学期は「ウッドストック/愛と平和と音楽の三日間」を観て感動し、ウッドストックフェスティバルの凄まじさについてプレゼンしましたw)記憶があります。

そこで、ここは「エルネスト」予習という感じで「モーターサイクル・ダイヤリーズ」を再見しました。すると、どうでしょう社会人1年目だからか見える景色が違いました…

「モーターサイクル・ダイヤリーズ」あらすじ

医師を目指していたチェ・ゲバラの南米放浪記「チェ・ゲバラ モーターサイクル南米旅行日記」の映画化。1952/01/04、アルゼンチン・ブエノスアイレスで医学の勉強をしているチェ・ゲバラは、先輩アルベルトといろんな国の医学を目で確かめようとおんぼろバイク・デローサ号「怪力号」に乗って南米放浪記を始める。

そう、「これは偉業の物語ではない 同じ大志と夢を持った2つの人生が しばし併走した物語である」

チェ・ゲバラとは?

あらすじでは、わかりやすいようにチェ・ゲバラと書きましたが、実はチェ・ゲバラは本名ではありません。本名は、エルネスト・ラファエル・ゲバラ・デ・ラ・セルナ(Ernesto Rafael Guevara de la Serna)で、「セルナという町のエルネスト・ラファエル・ゲバラ」という意味です。チェとはアルゼンチン語で「やぁ」とか「よぉ」とか相手を親しみ込めて呼ぶときの言葉で、言うならば「~くん」みたいな感じのイメージ。なので、私のペンネーム「チェ・ブンブン」は「さかなクン」と同じような意味合いを持っています。

↑以前、早稲田大学の旅行サークルの人と呑みに行った際に貰ったキューバのお金3CUP(約15円)にもチェ・ゲバラの肖像が刻まれていました。

そんなチェ・ゲバラ、キューバ革命のイメージが強すぎててっきり、キューバ人かと思う方もいるでしょう。しかし、実は違います。アルゼンチンのロサリオで生まれ育っているのです。そして、革命家になる前は、この「モーターサイクル・ダイヤリーズ」で描かれているように医者を目指して学業に励んでいました。

そんな彼が革命家を目指すきっかけとなったのが、まさに本作で描かれている南米放浪。裕福ボンボンだった二人が、ペルーやベネズエラといった国の貧しい医療事情に、高圧的な軍事政権を目の当たりし、また既にアルゼンチンのフアン・ペロン将軍への政治的抗議活動で投獄経験のある相方アルベルト・グラナードの行動力(最終的にベネズエラのハンセン病療養所で働くこととなる)に影響され、「世界を変えよう」と思ったのです。そして、後にフィデル・カストロと意気投合しキューバ革命へと至りました。

旅は人を変える

さて、長くなりましたが本題「モーターサイクル・ダイヤリーズ」の感想&解説です。本作は「セントラルステーション」で一躍有名になったブラジルの監督ウォルター・サレス監督がメガホンを撮っています。彼は「セントラルステーション」然り、ジャック・ケルアックの「路上」を映画化した「オン・ザ・ロード」然り、「旅を通じて人はどう変わるのか?」を徹底的に突き詰めている監督です。

それだけに、本作はただの時系列を追った伝記映画としてではなく、旅によって人生が変わってしまった男そのものを描いている。それだけに普遍的で、海外旅行好き、いや全旅好きを魅了する最高のロードムービーになっています。

冒頭、意識高い系の医学生は「ちょっと他の南米諸国の医療事情見てくるわ!」とバイク1台で旅に出る。旅の前半は、よくある大学生。純粋に旅を楽しむ。人との交流を楽しむ。だけれども、他国をちょっと見下している。「俺たちはアルゼンチンの有名大学の医学生だぜ!寝床と食料をよこせ!」張りの横暴さ。

それが、段々アルゼンチンでは治せる病も、他国では医療が発達しておらず死者が出ていたり、軍の横暴な差別を目の当たりにし、心が落ち込んでいきます。そして、チェ・ゲバラ自身、持病の喘息で死の淵に立たされる。

段々と、今まで開けていた人生の「道」の中から、自分が進むべき「道」が見えてくる。それは相方アルベルトも同様。そして彼らはベネズエラを最後に別れる。

このラストに向かって、まるで文化祭最終日のような切なさが包んでくる様子はブンブン観ていて心が苦しくなった。ブンブン、今年社会人1年目。TwitterやFacebook等で、大学時代、いや高校時代の友人の投稿を見かけるが「もう彼は私と全く別の道を歩んでいるんだ。もう交わることはないんだ!」と思うことが多々ある。そんなブンブンですら、平日は機械メーカーでソフトウェア開発を行い、休日は映画のオフ会に参加、時にゲストとして呼ばれまくっている人生を歩んでいる。

ウォルター・サレス監督は後に「オン・ザ・ロード」で、「かつての仲間は、もう違う人生を歩んでしまっている」という哀しさを中心に描いた。どちらも自分の中では宝物のように好きな作品。またロードムービー作らないかな~と重い、そして「エルネスト」の公開が待ち遠しくなったチェ・ブンブンでした。

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