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“Ç”チェコ版イージー・ライダーがシュール過ぎる!「ひなぎく」

“Ç”チェコ版イージー・ライダーがシュール過ぎる!「ひなぎく」

ひなぎく(Sedmikrásky)


監督:ヴェラ・ヒティロヴァ
出演:イヴァナ・カルバノヴァ、
イトカ・チェルホヴァetc

大学三年生になると、ゼミが始まります。
ブンブンは映画を観て感想を書き討論するゼミに入りました。
なんと、一本目からチェコのアバンギャルド過ぎる映画
「ひなぎく」を鑑賞。
昨年、一度観ては入るのだが、謎多い作品で
映像は面白いがメッセージを理解するのに苦しんだ。

今回、再鑑賞したら、段々ヒティロヴァ監督の言いたい
メッセージが分かるようになったぞ!!

社会派の映画って

社会派の映画を作ることはある種、国や右翼との戦いである。
イラン映画『これは映画ではない』は、国の検閲をかいくぐる為、
USBで映画祭に出品する苦肉の策が取られた。
日本ですら、天皇に関する作品を撮ることはタブーとされ、
ソクーロフの『太陽』が公開禁止寸前に追いやられたり、
『タクシードライバー』の脚本家が監督を務め、
ジョージ・ルーカスとフランシス・フォード・コッポラが制作総指揮した
三島由紀夫の伝記映画が上映禁止、
未だに日本ではDVD化されてなかったりと圧力がかかっている。

チェコ映画『ひなぎく』は、
アヴァンギャルドな演出技法で当時のチェコ国内の凄惨さを暗号化し、
その暗号化したメッセージを世界に届けようとした。

これって「イージー・ライダー」だよね?

プロットはまさに『イージー・ライダー』である。
自由を求め放ろうとする人が、
保守派によって潰される様子を描いている。
確かに『イージー・ライダー』も、
フレアやドラッグシーンなどこの作品以前の作品では事故、
タブーとされてきた描写を多用しているのだが、
まだ『イージー・ライダー』の方が自由主義の実態批判を直球に伝えていた。

ラストのあのメッセージ

今回、二度目の挑戦にして一度目では消化しきれなかった
『ひなぎく』の謎が明らかにされる。まず、ラスト。
自由奔放と生きる少女たちがいきなり
シャンデリアに押しつぶされ、

「踏みにじられたサラダだけをかわいそうと思わない人々に捧げる」
という一文が表示されるエンディング。
これは、「表面上の平和」に対する批判だと分かった。

第二次世界大戦の凄惨さ、戦後間もない頃の荒廃とした地。
あれから約20年後に、ヒティロヴァ監督は
「一見復興したかに思えるチェコスロバキアも、
実は人々の内面では傷が残っている。
見かけだけで『平和』と判断するな、惨劇を忘れるな。」
と反骨精神で作品作りに挑んでいる。

アヴァンギャルドに隠す政治的発言

例えば、冒頭で少女たちがロボットのような
動きをしながら
「やることなすことぜんぶ失敗」
とチェコスロバキア政治の批判にあたる台詞を発する。

物語全体を通して、金持ちを騙して生活するしか、
欲を満たす方法がない、自宅に帰ると広告の切り抜き
を食べて飢えを凌ぐ程の貧しさが存在することを示唆する。

極めつけは、エンディング近く、
少女たちは自分たちが荒らしたパーティー会場を神のような
存在の激昂によって修復作業する羽目になるシーン。
修復しても張りぼてぐちゃぐちゃな会場を
前に彼女たちは、お芝居で幸せを演じるの?と疑問を投げかける。

映像は凄いが…

最初に観た時は、アヴァンギャルドな演出技法で
カモフラージュされており、
気づかなかったが、
ありとあらゆる台詞が政治的、アイロニーに満ちあふれた作品
であることに気づいた。

ただ二度目観ると、台詞が結構露骨に政治批判している。
特にラストシーンは政府に暗号化したメッセージを解読しろと
挑発しているようなものなので
上映禁止になったのは無理ないと感じた。
だから、映像的には面白いが、
政治メッセージを政府に圧力かけられずに
他国に広める社会派映画としては失敗と言えよう。

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Comment

  1. あら、あなたすごいですね。
    私は何度見てもメッセージは判らなかった。

    当時のチェコの状況など、事前に勉強しておかないと何にもわかりませんね。

    • chebunbun より:

      もこもこ雪猫さん、メッセージありがとうございます。
      僕も一度目ノー勉で観た時はちんぷんかんぷんでしたが、
      チェコの情勢を勉強して観ると非常に奥深い作品でしたねー。

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