【SKIPシティ国際Dシネマ映画祭】『夜を越える旅』モラトリアムが背中で語るまで
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭で萱野孝幸最新作『夜を越える旅』が配信された。彼はクラッカーの頭脳戦を緻密に描いていることで注目された『電気海月のインシデント』で知られた新気鋭の監督だ。これがかなり面白かった。
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭で萱野孝幸最新作『夜を越える旅』が配信された。彼はクラッカーの頭脳戦を緻密に描いていることで注目された『電気海月のインシデント』で知られた新気鋭の監督だ。これがかなり面白かった。
映画祭シーズンである。イメージフォーラム・フェスティバルと同時にSKIPシティ国際Dシネマ映画祭にも精を出してんやわんやである。さて、先日TwitterでSKIPシティ国際Dシネマ映画祭のことをつぶやいたら『鬼が笑う』関係者と思しきアカウントから執拗にいいねが来た。これは私に観て欲しいのだろうか。通常はそういうのは逃げてしまうのですが、乗ってみることにしました。
James Bond…License to kill…History of violence…
映画館ですっかり擦り込まれること約2年。ようやくダニエル・クレイグボンド最終章『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』が日本公開されました。Twitterでは台風の負けんじと10/1(金)初日に映画館に駆けつけたものの、あまりの微妙さに荒れている人が多数観測された。まさか007で、あの面白そうな予告編でそんな大暴投はないだろうと思ってTOHOシネマズららぽーと横浜で観てきました。確かに、大暴投はなかった。『闇の列車、光の旅』、『ビースト・オブ・ノー・ネーション』のキャリー・ジョージ・フクナガ監督なので堅実な映画作りをしている。だが、その真面目さ故かあまりにも退屈だった。007でここまでつまらなくできるのかと思うほどに退屈だったのです。今回は、そんな悲しい駄作『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』に対してネタバレありで文句を徒然なるままに書いていきます。
イメージフォーラム・フェスティバルは毎年実験映画が熱い。最近だと、往年の映画の星空を集めた『★』が話題となった。さて今回初めてイメージフォーラム・フェスティバルに臨むにあたって謎の実験映画に挑戦しようと『ロック・ボトム・ライザー』を観てみた。本作は第71回ベルリン国際映画祭Encounters部門でスペシャルメンションを受賞している。
日本未公開映画を紹介する映画ブロガーゼロモチベーション済藤鉄腸さん( @GregariousGoGo )のTwitterネームの由来であるイスラエル映画『ゼロ・モティベーション』が2021年10月10日(日)〜2021年11月8日(月)の期間、映画配信サービスJAIHOで観られます。監督のタリア・ラヴィといえば、第16回大阪アジアン映画祭で上映された『ハネムード』で軽快ユニークなコメディを撮ったことが記憶に新しい。そんな、タリア・ラヴィ監督作『ゼロ・モティベーション』を試写にて一足早く観させていただきました。
イメージフォーラム・フェスティバル2021でルーマニア・ニューウェーブの鬼才ラドゥ・ジューデの新作『アンラッキー・セックスまたはイカれたポルノ』が上映された。本作は第71回ベルリン国際映画祭で最高賞である金熊賞を受賞しており、またコロナ禍を扱っていることで話題となった作品だ。当ブログでも『THE DEAD NATION』、『UPPERCASE PRINT』を紹介し、監督のユニークな演出に驚かされてきたわけですが『アンラッキー・セックスまたはイカれたポルノ』それらを遥かに超える進化を魅せてくれました。尚、ネタバレ考察記事です。
今、MUBIではエジプトの巨匠ユーセフ・シャヒーン初期作特集が行われており、日本からでも「死ぬまでに観たい映画1001本」に掲載されている『カイロ中央駅』をはじめ、『THE BLAZING SUN』、『DARK WATERS』、『THE DEVIL OF THE DESERT』、そして『DADDY AMIN』の5作品が観られる。エジプトは歴史学的に「アフリカ」という括りから外されることが多く、「ブラック・アフリカの映画」では最古のアフリカ映画として1955年のセネガル映画『セーヌ湖畔のアフリカ(Afrique-sur-Seine)』を挙げている。この本ではサハラ砂漠以南のアフリカをアフリカ(=ブラック・アフリカ※現在の言い方だとサブサハラアフリカ)と定義している。だが、エジプトを含むと、もう少し古くから映画は存在する。事実、ユーセフ・シャヒーンは1950年にミュージカル映画『DADDY AMIN』を製作しているのだ。ということで、今回は本作の感想を書いていく。
『ヒメアノ〜ル』、『犬猿』、『愛しのアイリーン』と今、脂が乗っている監督のひとり吉田恵輔の新作『空白』をユーロスペースで観てきました。現在公開中の『由宇子の天秤』同様、正義の暴走を重厚に捉えた2020年最重要作品のひとつでありました。例のごとく、思わぬギミックと笑いに満ち溢れた作品のなのでネタバレあり考察とします。
映画祭シーズンですね。毎週のようにオンライン/リアルで映画祭が開催されるシーズンに突入しました。今週はSKIPシティ国際Dシネマ映画祭にフォーカスを当てていきます。SKIPシティ国際Dシネマ映画祭の選定眼は鋭いものがあり、過去には第89回アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた『タンナ』をいち早く発掘した実績があります。今回は、非常に珍しいマルタ共和国の映画『ルッツ』が選出されていましたので手始めに観てみました。
Twitterのスペース機能を使ってブルキナファソのワガドゥグ全アフリカ映画祭(FESPACO)トークをすることになった。ブルキナファソに最近まで住んでいた方をお招きしてガッツリ3時間ぐらいトークをすることになったので、イドリッサ・ウエドラオゴ以外のブルキナファソ映画を探していたら『Wend Kuuni』を観ることに成功した。