ダルジャンオミルバエフ

2021映画

【東京国際映画祭】『ある詩人』広大な文学の地が失われる轍※ネタバレ

第33回東京国際映画祭コンペティション部門が発表された時、私は度肝を抜かれました。なんとダルジャン・オミルバエフの新作が選出されていたのです。ダルジャン・オミルバエフといえばカザフスタンのブレッソンとかタルコフスキーと呼ばれている伝説的な監督。トルストイの「アンナ・カレーニナ」を映画化した『ショーガ』はカイエ・デュ・シネマの年間ベストに選出されている。私も2021年に映画監督の不思議な旅路を描いた『ザ・ロード』とドストエフスキー「罪と罰」を映画化した『ある学生』に衝撃を受けて、2021年上半期ベスト旧作編に選出している。そんな彼の新作が三大映画祭をスルーして東京国際映画祭でワールド・プレミア上映されるとは市山尚三の選定眼に痺れます。

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『THE ROAD』俺の頭の中では完璧な映画なんだ!byカザフスタンの映画監督

レフ・トルストイの「アンナ・カレーニナ」を現代カザフスタンに置き換えて映画化した『Chouga』が2010年のカイエ・デュ・シネマ年間ベストにて9位に選出されたことからご存知の方も多いでしょう。しかし、カザフスタン映画だけあってか彼の作品の観賞難易度はSSRである。インターネットで調べるとカザフスタンのタルコフスキーというあだ名がついているらしくめちゃくちゃ面白そうなのでここ数年ずっと探していてついに見つけました。フランス版MUBIで発見しました。しかも東京国際映画祭で上映された『ある学生』 も配信されていました。ただ、字幕はフランス語字幕のみ。こういう時、フランス語やっていて良かったなと思う。さて今回紹介する『THE ROAD』はNHKが製作に関わっているにもかかわらず映画祭で上映されたきり日本公開されなかった幻の作品です。これがとてつもなく傑作でありました。