『Tales of the Wounded Land』再建への眼差し

Tales of the Wounded Land(2025)

監督:アッバース・ファーディル

評価:60点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

『祖国 イラク零年』のアッバース・ファーディル新作『Tales of the Wounded Land』を観た。

『Tales of the Wounded Land』あらすじ

An intimate chronicle of the war that devastated South Lebanon, leaving behind scorched land and a wounded community struggling to rebuild and find a semblance of peace.
訳:南レバノンを壊滅させ、焼け野原になった土地と、再建と平和の兆しを見つけようと奮闘する傷ついたコミュニティを残した戦争の親密な記録。

※Festival Scope Proより引用

再建への眼差し

本作は2023年のイスラエル・レバノンでの戦争をテーマにしている。映画はスプリットスクリーンで爆撃される南レバノンを捉えていき、戦後、崩壊した世界で再建しようとする人々に迫っている。この手のドキュメンタリーはアプローチが決まっており、崩壊した地と人々の営みが描かれる。映画としては陳腐に思えるが、陳腐なものとして消費させないように個を捉え続けようとする。アッバース・ファーディル監督は一貫して大きな物語として消費されようとしてしまう世界の小さな個へと眼差しを向ける。映画は当事者へ歩み寄ろうとしつつも、心理的距離がある。そうした距離を縮めようと模索するシネアストだと感じた。