『Magic Farm』ガンギまった観光客の薄っぺらいカリカチュア

Magic Farm(2024)

監督:アマリア・ウルマン
出演:ジョー・アポロニオ、カミラ・デル・カンポー、Guillermo Jacubowicz、バレリア・ロイスetc

評価:10点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

MUBIで結構前に観たのだが、あまりにもひどいので放置していた。ただ、カンタン・デュピュー『The Piano Accident』のレビューを書くついでにこちらも書くことにした。

『Magic Farm』あらすじ

A media crew mistakenly ends up in the wrong country while trying to profile a musician. As they collaborate with locals to create a viral trend, relationships form amid an unfolding health crisis.
訳:あるミュージシャンのプロフィールを取材しようとしたメディアクルーが、誤って別の国に足を踏み入れてしまう。地元の人々と協力してバイラルトレンドを創出する中で、健康危機が深刻化する中で、人々の関係が築かれていく。

※IMDbより引用

ガンギまった観光客の薄っぺらいカリカチュア

アルゼンチンの辺鄙な村にやってきたアメリカ人の傲慢な態度を風刺した作品。映画はSNSに動画をアップするガンギまった観光客像を風刺しており、映画はコテコテのエフェクトが実装されている。確かに、店でものを買う際の言葉の通じなさを小馬鹿にした態度など、日本に来る外国人観光客の傲慢な態度に通じるものがありその描写自体はリアルではある。

しかし、そうした態度やSNS的映像演出を馬鹿にするだけでは何も始まらず分断を広げるだけであり、歩み寄ってそうした心理に行き着くプロセスを掬い上げるべきであろう。要は自分たちのコミュニティから離れ、匿名的他者になる開放感が露悪的アクションへとつながる様を丁寧に描くべきであり、一般人が撮影する表層的な映像を表層的なまでに踏襲することが映画の役目ではないと強く言いたい。