Don’t Let the Sun(2025)
監督:Jacqueline Zünd
出演:Levan Gelbakhiani、Maria Pia Pepe、Agnese Claisse、Karidja Touré etc
評価:70点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
第78回ロカルノ映画祭に出品されたJacqueline Zünd初長編劇映画『Don’t Let the Sun』を観た。ストーリーと言うよりかは概念的作品ではあったのだが、そのイメージの強烈さに惹き込まれた。
『Don’t Let the Sun』あらすじ
The heat keeps rising. People grow distant, in curious kinds of solitude. This is where Jonah (28) provides comfort for strangers. But when he finds himself in the role of the father for 9-year-old Nika, his life starts to unravel.
訳:暑さは増すばかり。人々は奇妙な孤独の中で疎遠になる。そんな場所で、ジョナ(28)は見知らぬ人々に慰めを与えている。しかし、9歳のニカの父親という立場になったことで、彼の人生は崩れ始める。
誰もいない乾いた世界、それは《こころ》の荒野
環境の変化、猛暑により人々が街から消えたように思える世界。人々は寄り道することなく淡々と空間から空間へと移動する。対話は目的に向かった一方通行なものであり、どこか寂しく感じる。明確にコロナ禍における環境の変化と人間の孤独を扱っている本作は、蜃気楼が立ち込める虚無。紅に染まる空間。リミナルスペースを彷彿とさせる空間の連続でもって2020年代の心象世界を表現している。この印象的なイメージは、淡白に思えるストーリーがどうでも良くなるほど心に焼き付くものがあり、Jacqueline Zündの劇映画方面での活躍に期待が持てる一本となっていた。












