パレスチナ36(2025)
Palestine 36
監督:アンマリー・ジャシル
出演:ヒアーム・アッバース、ヤスミン・アル=マスリー、ロバート・アラマヨetc
評価:70点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
第38回東京国際映画祭でも上映される『パレスチナ36』を観た。少しパレスチナとイギリスとの関係性を押さえておく必要はあると思いつつ、アクチュアルなパレスチナ問題への理解が深まる一本であった。
『パレスチナ36』あらすじ
1936年、英国統治下のパレスチナを舞台に、政治の駆け引きのなかで土地を奪われてゆくパレスチナの人々の民族の覚醒とその抵抗を、スケール豊かに描いた歴史大作。現在のパレスチナ問題の源流が何なのかを考えさせる作品。
※東京国際映画祭サイトより引用
パレスチナ、ミクロとマクロのうねりの中で
1917年のバルフォア宣言を始めとするイギリスの三枚舌外交の影響が尾を引く1936年。パレスチナのアラブ反乱が勃発し、翌37年にイギリスがピール分割案を提出する前夜。映画はエルサレムとアル・バスマの村を中心に展開される。映画は画面サイズを変え、その眼差しは国家というマクロな視点と個人というミクロな視点を的確に切り替えることで歴史の大きく複雑なうねりを捉えようとする。激しく対立し、ある種のスペクタクルとして描かれながらも映画としての手法は丁寧かつ堅実なように思えた。不勉強ながらわからない部分もあれども、パレスチナ情勢を知ろうとする意欲を掻き立てる作品として面白く観た。